2024年11月19日 08:00
都内のビル玄関前にオシャレにレイズベッドされた小さなコケ庭を見つけました、小さな石をいくつか並べて隙間なくコケでグランドカバーされています、環境から考え最初ホソウリゴケかと思ったのですが光の反射加減が異なるので近くに寄ってみたら何とホソバオキナゴケでした。
ホソバオキナゴケはアラハシラガゴケと共にヤマゴケの通称を持つコケで山形の小さなコロニーを形成して広がっていきます、自然界ではこのように広い範囲を覆いつくすような姿をほぼ見ることがありません、したがって人工的に作られたコケ庭だということが解ります。
またホソバシラガゴケはコケの中では乾燥に耐性があるほうですが、とはいえ雨が少なく暑い都内の夏は相当厳しい環境です、その意味では北側に設けられたこのレイズベッドなコケ庭は理想的なシェードガーデニングの見本のような作りです、当然こういったテクニックを駆使しているのでガーデニングのプロの手によるものだということがすぐ解ります。
あと落ちている枯葉を見て解ったのですが、作りたての頃はアクセントに蔓性のシダ類であるヒカゲノカズラを一緒に植えていたのだと思います、創作当初はきっと綺麗な緑の絨毯のようなコケ庭だったのでしょう、雨に濡れたホソバオキナゴケは毛並みのよい動物の皮膚のようで大変綺麗です。
ホソバオキナゴケと小石を使った小さなコケ庭
ホソバオキナゴケ(拡大)
遠目ではホソウリゴケのようでも近くで見ればまるで異なる容姿