2023年10月31日 08:00
「少し賢すぎるね、ビジネスで成功したければ少し馬鹿になったほうが良いよ」
大手情報機器メーカと初の事業提携契約を行うことが決まった祝いの席で提携先企業の事業本部長から発せられた言葉です、この瞬間に今までこのような大きな商談が幾度もありましたが提携までに進まなかった理由が明確に理解できたのです、年齢的にも経営者としての未熟さを認めるしかなかった一言でした。
ビジネスにおいては自分や会社を大いに買ってもらい事業提携や業務提携などの大きな話が来ることがあります、このときに気をつけなければならないことがあります、それは「素直に喜び細かいことを最初から考えないこと」です。
私のそれまでの姿勢は「あまりにも規模が違う会社同士で本当に上手くいくのだろうか」、「将来飲み込まれてしまうのではないか」などの不安や疑問が先にたっていたことは確かです。
その不安が「この場合はこうしたい」とか「こういうときは大丈夫ですか?」など些細な事項の質問となって現れていたのでしょう、これがおそらく相手にとっては面白くはなかったのではないでしょうか。
「今から将来を築いていこうと考えている段階で重要なのは事業の根幹であり互いの信頼関係です、枝葉の部分は提携後に実務者同士がゆっくりと考えれば良いことなのでは?」、確かに言われてみればそのとおりです、まず重要なのは相手が信頼できるかどうかの1点であるのですから。
このとき以来提携話などにおいては馬鹿を決め付けています、もっと言うと「いいじゃないですか?」的にいい加減さを演じることもあります。
「先のことは何も考えてないです、ただ御社を信頼できると判断しているだけですから」と言ってみても、これが逆に「相当深く先読みして提携に踏み切った」と思われることもあります。
人間関係って本当に面白いです、相手に合わせて演出をアレンジする、これも全てにおいて余裕がなければ成せない技なのでしょう。