2023年10月23日 08:00
「個人としては実績もあるし信用しているが会社は別だよ」
私が28歳の時に法人化した際に取引のあった外資系企業の管理部長の言葉で、企業の信用というのは何かを改めて知らされた言葉でした。
フリーとして個人では契約は可能でも、法人化したらその会社は法人同士の契約となるので3期分の決算書が必要と言われたのです。
一般的には個人よりも法人としての方がはるかに信用度が増すと思われるのですが、どの企業も同じような契約条件があります。
したがって法人化後は直接契約は行えないために、しばらく他の関連企業の口座を借りての間接契約を行うのが一般的です。
考えてみればこれは非常に面白い事実です、つまり業務を行う方が倒産したとしてもお金を払う必要がなくなるのでリスクは無いと思われるからです、ところがこの裏にはお金の問題ではなく業務の推進が止まることへのリスクヘッジが大きいのです。
法人契約の場合は倒産したら責任を取りたくても取れない状況になるからです、その点個人は自己破産で金銭での免責はあっても倒産という事態は発生しませんからいつまでも履行責任を追及できるのです。
法人は3期以上安定して経営していることが取引条件としているのが現実です、要は法人の信用は個人に比べて低いのです。
そういえば銀行も起業当初は個人には貸してくれますが、法人が借りるためには最低3期の決算後でないと難しいと同じことを言われた記憶があります。
経営者1人の法人でもその経営者個人は借りられるが法人は不可能、これもなんとも面白い事実です。
何故なら法人の場合は必ず経営者の保障が付きます、つまり個人と同じだと思うのですが同じではないのです、法人化を考えるときにはこれを視野に入れてタイミングを見極めていただきたいと思います。