2023年10月16日 08:00
記憶に久しい話しですが、チリで起きた落盤事故から2ヶ月以上かかっての33名全員の救出劇は世界中の人々に感動を呼びました。
その全員無事救出劇の最大の功労者としてリーダーのルイス・ウルスア氏を称賛する声が上がり、各国から「窮地の心境」や「危機管理」などのテーマで書籍の出版や映画化のオファーが相次いだといいます。
この称賛の裏には「パニックを抑え高齢者も含めて仲間全員を見事に統制し命を救った」ということがあげられます、落盤事故直後には当然絶望感からパニックを起こした人がいたことは想像するに易しいです、また食料も当初は3日分しかなかったといいます。
ルイス・ウルスア氏は30年のベテランですが、就任2ヶ月目のリーダーがたった1人で32人を何故ここまで見事に統制できたのか、この行動はビジネスにおいても当然のこと参考になるものと考えます。
救出直後のニュースをテレビで見ていて彼の落ち着いた動作に注目しました、普通の人なら喜び勇んでもっとオーバーなアクションを起こします、しかし彼は歩き方も表情も実にどっしりとした構えでした。
またサングラスで目は確認できなかったものの顔の精悍さは何とも言えないオーラを放っていたことは確かです、想像するに話し方も落ち着き放っていると思います、パニックを抑えるにはまず相手に安心感を与えることが肝要なのです。
リーダーとは普段は早口で感情的な話をしても、いざという時には口調は穏やかに力強く、そして相手が聞き入れるキーポイントとなる単語を使いながら話すのが肝要です。
創造するにおそらく「全員で生きて帰ろう」、「仲間と自分を信じよう」などの言葉を使ったものと考えられます、ここで「全員で生きて家に帰ろう」というのと「全員で助かろう」というのは全然聞く人に対しての印象が変わります。
この場合には「二度と我が家に帰ることができないかもしれない」、「ここで死ぬかもしれない」ということを意識しているのですから、「生きて」と「家に帰る」を強調する必要があるのです、おそらく彼は普段も子供や同僚に相手が納得する話し方と単語を使っていたのだと思います。
リーダーは普段は頼りないと見られても構いません、ただしここぞという時に周囲に安心感を与え集団をみごとに統制できること、これが「強い」リーダーには不可欠なのです。