2023年10月13日 08:00
孫子兵法書などを中心に当時数多く記された兵法書を数百年後に何者かが「兵法三十六計」としてまとめました、そのまとめた人は今だに謎のままなのです。
それは実に適切にまとまられており、世界中に翻訳され多くのトップリーダー達の御用達の書ともなっています。
その中で最後に登場する三十六計が「走為上(そういじょう)」という計で、簡単に訳すと「負けが見えた場合、潔く撤退することが最上の策」というものです、これは日本に伝わり「兵法三十六計、逃げるが勝ち」という諺まで誕生しました。
現代ビジネスにおいても「走為上」の教えはなるほど的確だと思います、例えばなかなか進まない商談、当初の取り決めと異なる案件、赤字を垂れ流しても何時までも収益が見えない事業などはまさに「逃げるが勝ち」で早々に撤退を検討した方が良いでしょう。
請負であれば途中放棄は契約違反となり場合によっては残金の支払いを止められるばかりか損害賠償を要求されます、またこういう情報が広まり後々の信用問題にも発展する可能性もあります。
とは言え、このまま続けていると他の事項にも影響が出ると明らかに判断できるのであれば一過性の出血を覚悟で手を引くことも一考であり肝要です。
ここで絶対にしてはいけないのは「済し崩し的な撤退」です、これは後々に大きな時限爆弾を背負うことになります。
撤退するときは未練を残さず清算すべきことを綺麗に清算して短期決戦で決めなくてはいけません、その時は修羅場と化すかもしれませんが覚悟を決めて撤退する意思を面と向かって伝えるべきです。
一時的な嫌がらせや法的手段を持ち出されるかも知れません、しかし「社員や会社を守る為」という大義名分と強い意志を持ってどんな事があっても後戻りせずに撤退を敢行することが肝要です、これが「強い」リーダーの務めでもあるのです。