2023年10月 9日 08:00
時間に関しては戦略がものを言う事項が実に多く存在します、また時間を有効に活用できる人が優れた経営能力を持つ人とも言えます。
将棋に例えると本当に強いプロ棋士は持ち時間を制限いっぱいに使い勝ちます、余すことなく足りぬこともなくです。
逆にやはり読みの名人といえども負けるときは時間を余したり、足りずに早指しに突入し負けてしまいます、持ち時間を制限いっぱいに有効に使って勝つ棋士はやはり評価も高く実績も豊かです。
そこには最初から制限時間を頭に入れた勝ちのシナリオ、つまり時間戦略というものが立てられているからに他なりません。
ビジネスにおいても納期や提出期限など多くの時間的制約が課せられます、他の業務もあるので早く終わらせて早く納品したいのは心情として分かりますし顧客サービスの一環としても有効のように思われます。
しかし早く納品してミスがあった場合は評価は逆に下がります、これは「手抜きした」と思われてしまうからです。
ところが納期ぎりぎりに出した場合はどうでしょう、例えミスが見つかっても「ぎりぎりまで大変だったかな?」と心情的に理解してもらえるときもあります。
収める納期、業務の期限、法的な時効、世の中には多くの時間的な期限が存在します、その期限までの時間は「期限の利益」という名の自分がもらった時間です、期限の近いものや内容如何で優先すべきではないのです。
業務が終わったから納品することは時間を有効に使っているとは言えません、手離れを早くしたいのは分かりますが終わったあとに何が起こるかわかりません、期限までは自分が獲得した時間です、つまりこれが「期限の利益」という法的事項でもあるのです。
これを有効に使える人こそがプロと呼べる人なのでしょう、逆に納期や期限を守れない人はここでいうところの時間を制する思考をできない人でありプロとしては論外です。
期限に遅れることを法的には「期限の利益の損失」といいます、つまり契約不履行が確定しないように事を進めるのもプロとして重要な要素なのです。