2022年12月14日 08:00
1970年代に誕生したアメリカンドリームを裏で支えた投資家をエンジェルと呼びました、当時のアメリカは現在のパソコンの中核チップであるマイコン(マイクロコンピューター)が誕生し、その将来性に夢を膨らませる若者が自然発祥的に多数生まれました。
彼らは天才的な頭脳を持ちますがそのアイデアを具体化させる資金が有りません、それを嗅ぎつけた個人投資家らが彼らのスポンサーとなり大金を投資しました、それがアップルやマイクロソフトに象徴されるような巨大IT企業に成長したのです。
今ではその矛先がAI・IoT・ブロックチェーン等に向けられてはいるものの当時と同様の現象が起きています、エンジェルとは解りやすく言えば「足長おじさん」的な存在で成長するまで暖かく支援し余計な口出しもせず見守るだけの存在です。
さて日本でもこのような例で成功したのがソフトバンクなどのIT企業です、大手情報家電企業がエンジェルとなり育て上げたのです。
しかしアメリカに比べてエンジェルの存在は希薄で投資額はトータルでは1%にも満たず、多くは上場ゲインを狙ったキャピタリストでありエンジェルとは呼べません。
若い頃から海外で仕事を通して解ることは世界中のどの国でも天才的なIT人材は多数存在しているということです、でも彼らが天才として成功しないのは資金が無いだけなのです、資金さえあればもっと早くSFの世界が現世に存在できていたでしょう。
物言わぬスポンサー、足長おじさんであるエンジェル、この必要性は26歳でフリーSEとしてスピンアウトし28歳でIT起業した私には嫌というほど解ります。
たまたま私は運良く複数の法人キャピタルから億単位の資金を得て特許取得から専用チップを開発し数百億規模の事業を創出することができました、でもこのキャピタルからの支援は死に物狂いで行動した結果であり言葉で説明するほど簡単なことではなかったです。
日本で否、IT成長著しいアジア諸国でエンジェルのニーズは年々大きくなってきています、ベンチャー企業が成功しないのは技術力不足でも経営者の能力不足でもなんでもありません、資金が無いだけだと言っても過言ではありません。
ベンチャー企業を興し成功したいのであれば確実に資金問題を解消しなくてはいけません、そしてどんな事業を興すにも「資金不足は致命傷である」と認識することが経営者の一番優先すべき心得ということです。