2022年12月 7日 08:00
「核家族」という言葉も既に懐かしい感じがします、ここ数年の世の中の動きを見ればまるで核家族から更にそれぞれが分離して生活する「個の時代」を予見させられます。
テレビでは人知れず孤独の中であの世へ逝ってしまう「無縁死」が取りざたされています、身元調査しても何処の誰なのか特定できない人も年々増えてきているといいます、また「24時間以上人と会って会話をしたことが無い日が有る」という社会隔離生活者も特に高齢層では急増の一途だといいます。
その孤独な人たちが向かうところの一つはSNSの世界なんだそうです、子供や孫の写真を出してはいるものの裏にはどうしても孤独感が垣間見えてしまいます、言葉や文章でそんなことはすぐにも解ってしまいます。
SNSの中では現実の世界とは無関係に多数の人と文章による会話ができます、また自分が発信した情報に善し悪しは別にして何らかの反応もあり孤独さを紛らわすことができます、世代に関係なく目立つのは現実とは別の自ら作り上げた仮想空間の中で成功者やプチセレブとして発言できます。
現実を良く知る人に突かれると「セルフブランディング」だと言い張るのですが正直そんな演出は逆ブランディングです、つまり本当にビジネスに有益な人からは確実に距離を置かれてしまい益々社会から孤立することになります。
更に警鐘を鳴らさせていただけば、仮想空間でヒーローやヒロインを演出している人は現実世界を意識した途端に大きなギャップにより自身が望んだ結果とは裏腹に更に孤独感が強まるだけです。
私は現在の「個の時代」はまさにこのSNS社会が齎した悪しき産物だと考えています、便利さの裏には必ず伏兵が隠れているものです、リアルな人間関係が構築された後に情報開示や通知用にSNSは使われるべきだと思えてなりません。
現在はSNS離れが顕著化しています、理由の一つにはリアルでの状況を知っている人がSNSの世界で現実逃避している哀れな姿を見るに堪えられないからだと言います。
「リア充」(リアル充実=現実充実)という言葉がよく使われていた時期がありました、現実世界で充実している人ほどSNSを行うこと自体を嫌いになっていくのです。
逆に言えば、SNSでプライベート色の強い意味の無い情報を配信しないようになったらリアルが充実してきた証拠でありビジネスも上手くいっているのです。
ビジネスが上手くいっている人はビジネス仲間にプライベート情報で妙な誤解などが生じることを懸念するからに他なりません、例え開示範囲を限定しても誰がどのように見ているのか解らないのがSNSなのですから。
そして逆説的に言うなら、SNSをいつまでもやっているからリアルで充実した生活を送ることができないのです、SNSをやる時間が有るならリアルを充実させることに使うべきだと思えてなりません。
起業したのであれば、SNSで安直に集客しなくてもよい真のビジネスを見つけて他者を頼らず自立して強く生きていくことが肝要です、「SNSがこの世に無かったとしたら自分に何ができるのか?」、経営者と言うのであればこの課題と真摯に向き合ってほしいと思います。
最後にSNSをここで否定しているのではありません、経営者という括りの中でSNS考を示唆しているに過ぎません。