2022年8月 2日 08:00
大学時代に毎日のように徹夜で随筆を読み込むほどにハマった人、それが「寺田寅彦」という科学者でした、科学者でありながら深い人間性を感じる文章に大いに魅せられてしまったのです。
寺田寅彦は理工学研究所長を務めた日本の物理学の権威者ですが、その人間味溢れる科学者は生き方も独特で小説「吾輩は猫である」の水島寒月や「三四郎」の野々宮宗八のモデルとなった人物としても知られています。
物理学の研究を科学論文ではなく随筆としてまとめあげ、一般の人にも解りやすく解説した功績は「凄い」の一言です。
例えば、「キリンの模様はなぜ乾燥した台地のひび割れ模様と同じなのか」や、「ホウセンカの種はなぜ同じ角度で飛び出すのか」などの話しは一気読みしてしまったほどです。
当然、これだけの人ですから名言も感服するものばかりです。
例えば、「災いは忘れたころにやってくる」は私も各所で多用しているほど好きな名言の一つです。
他にも「健康な人には病気になるという心配があるが、病人には回復するという楽しみがある」や、「私は"四十にして惑わず"という言葉の裏に、四十は惑いやすい年齢であるという隠れた意味を認めたい」などは、科学者らしい深い洞察力を感じざるを得ません。
若いころ読んでいた本や視ていたテレビ、人間とは確実にこういったものから影響を受け思考が形成されてくるのだと思います。
これは大人になって確実にビジネス手法にも顕著に表れると思います、「三つ子の魂百までも」とはよく言ったものです、気が付いたときに思考修正を行うことが肝要かと思うのです。
私は26歳のときのモスクワで3ヶ月間の生活、37歳で内臓を5つも切除し死の狭間を行き来したことなどをきっかけに大きく思考が変化しました。
何をきっかけにしようが思考の修正は若いほど良いです、何故ならその後の人生を長く有益に楽しめるのですから。