エントリークラスの小型ブックシェルフの実力の程は?-3~オンキョー D-N9NX
2024年2月15日 08:00
小型ブックシェルフはやっぱりオンキョーということで、コストパフォーマンスが高いという噂のD-N9NX(2011年発売、オープンプライス)を購入してみました。
家電量販店での発売終了時の実売価格は3万円弱ですから、発売年度を勘案しておそらく発売当時の実売価格は4万円前後だと推測します。
尚、2016年に後継機と思われるD-NFR9TXが発売されていましたが2018年末でも新品が手に入りました、コストを下げる為にかなり量産したのでしょう。
オンキョー D-N9NX
ウーハーはアラミド繊維を4層ラミネートしたN-OMFコーンを使っており、13Cm口径で中心にアルミダイキャストの削り出しによるイコライザーを配して歪みを打ち消すように改良しています。
このイコライザーは振動板ではなくマグネットの中央先端に取り付けられているので、当然ですが鳴らしている時に触っても振動しません。
この時代のオンキョーの主流スピーカーの多くは特殊繊維で作ったA-OMFコーンを使っています、このコーンの差が価格に現れていると思います。
このD-N9NXとほぼ同じスペックで、コーンをA-OMFコーンに代えたD-102EXという小型ブックシェルフの名品があります。
どちらもツイーターには新開発のリングツイーターを使用し、何と100Khzまで高音域を伸ばしています。
単体での音質は高音域がかなりシャープに張り出してきて、ソースによってはトレブルを少し絞らないとバランスが悪いと感じるほど強烈に高音域が驚きます。
それでいて中低音域もそこそこ出ており、この価格でこの音色は隠れたエントリークラスの名品中の名品だと思います。
これを現在新規に製造したら、おそらく定価は5万円以上にはなるでしょう。
綺麗に響く高音域を得たいのであればこういったスピーカーを求めて、低音域はサブウーハーに任せるという割り切りでシステムを構築すれば、音質バランス的には中途半端な大型スピーカーを購入するよりも納得できる音質が得られるでしょう。
アンプを選べばかなり鳴らせるスピーカーです、サブシステムとしてしばらく鳴らし込んでみたい気がします。
エンクロージャーの仕上げも丁寧で素晴らしいです。
改めて聴き込んでみましたが、ジャンルを選ばず意外に綺麗に鳴ってくれるのには驚きました。
なかなかの優れものです、音色的にはエントリークラスの域を越えていると言っても過言ではないでしょう。
ちなみにリファレンスとして90年代後半に出た名機D-202AXと比較してみましたが、中高音域はD-N9NXの方が綺麗に出ていたには驚きます。
価格はD-202AXの半分以下でこの音なら文句無しです。