トールボーイスピーカーの実力の程は?-2~オンキョー D-108E
2025年2月 3日 08:00
まさにオーディオ道楽封印前夜に9.1Chから11.1Chにアップグレードしようとサラウンドバック用に購入したオンキョーのエントリークラスの小型トールボーイスピーカーのD-108E(2008年発売、ペアで4.3万円)は、音出し試験もなにも一度も使われないまま箱入りでトランクルームに直行させてしまったスピーカーです。
購入時期が悪かったとしか言えません、なにせ届いた時にはオーディオ道楽の封印を決めてしまっていたのですから。
そんな可哀想なスピーカーですが、復活後先ず初めに箱を解いてあげて音出ししてあげました。
長い間そのままにしていたせいか、数日間はまったく評価できないほど薄っぺらい音でした、完全にエージング不足です。
オンキョー D-108E
オンキョー独自のA-OMF素材のモノコック(一枚形成)仕様の8Cm口径ウーハー2発と2.5Cmのドームツイーターを搭載した2ウェイバスレフ型です。
ミニホームシアターシステムのフロントとしても、本格的なホームシアターシステムでのサラウンドにも使えるという両用タイプのトールボーイスピーカーです。
周波数特性では55Hz~なのですが、正直100Hz以下の低音域がほぼ出ていないように感じます。
ネットでのユーザーレビューでは評価は高いのですが何でしょう?
きっとエージング不足だと思って数日間音出ししていたのですが、アンプを変えてもなかなかまともに鳴ってくれません。
やっと本来の音かなと思い始めたのが1週間以上もエージングした後です。
音質的にはフロントでの使用は正直厳しく、完全にサラウンド用です。
そこでサラウンドスピーカーとして使用したのですが、現在使っているフロントやセンタースピーカーの音圧が高いのでアンプの音量調整だけでは対応しきれません。
そこで距離をぐっと縮めてソファーのすぐ後ろに持って来たら何とか鳴っているのが解るようになりました。
音質的には中高音域の伸びもあって、サラウンド用としては悪くはないのですが、フロントや単独でのオーディオ使用には低音域の物足りなさが致命的です。
使い方としては離れて聴くのではなく、近くで聞くニアリスニングタイプのスピーカーのように思います、これなら低音域もまあまあ出ているのが解ります。
例えば、ベッドの頭の両脇に置き足元にテレビとフロント&センタースピーカーを設置すると、音量のバランスがバッチリ取れて良い感じの音空間になり上手く使いこなせると思います。
そう考えると90Cmとトールボーイでは低めの高さも最適に感じます、ベッドだとサラウンドバックハイの位置になりサラウンド効果が絶妙になります。
また、テレビの音質改善用にテレビのサイドに設置してコンパクトなアンプとサブウーハーを合わせて使うという方法もありです。
こういった使い方をした場合では音質の問題もほぼクリアし、むしろトールボーイの設置の良さというメリットが引き出せます。
なるほど、こういう使い方もできるスピーカーなのですね。
単独でステレオ再生での音質ですが、極めてナチュラルで癖が無いオンキョーらしい音色ですが、同じお金を出すなら小型ブックシェルフの方が断然音質的には満足できます。
音質だけで言えば、小型トールボーイはコストパフォーマンスは相当低いと言えます。
ラウドネスをオンにすると低音域も持ち上がり、刺激の無い聴きやすい音色に変わりますが無理してる感は否めません。
オンキョーのA-905Xなどのアンプには、こういった小型スピーカーを意識しているのかラウドネスが2段階で調整できるスピーカープレゼンス機能が付いており、これを使って合わせるのが良いと思います。
ラウドネスは低音域と高音域を持ちあげますが、スピーカープレゼンスは低音域だけを持ちあげますので小型スピーカーの音質補正には向いています。
光沢ブラックのピアノ塗装という豪華な作りでインテリア性もあります。
使い方さえ間違えなければ耐圧(最大入力)もかなり高いし、こういった小型トールボーイは意外と各種のシーンで使えるスピーカーなのかもしれません。