トールボーイスピーカーの実力の程は?-1~Bose 55WER
2025年1月27日 08:00
形状は確かにトールボーイですが、トールボーイに含めていいのかどうか?
Bose 55WER(2001年発売、スタンド付きペアで13.6万円)は、変わり者の代表Boseの中でも最異色のスピーカーです。
専用スタンドとのセットで13万円強という価格とのバランスも含めて、この金属棒のように細長いスピーカーほどオーディオマニアに酷評・悪評・罵声の数々を食らったスピーカーは無いでしょう。
幅8Cm、奥行き10Cm、高さ122Cmというアルミダイキャストの重い角柱です。
Bose 55WER
しかし評論家はみな高評価なのです、このギャップがマニアの間で「オーディオ評論家の評価ほどいい加減なものはない」という神話を生ませてしまったのです。
そんな55WER、正直な話しがオーディオ用としてもホームシアター用としても何とも言えない音色で、音場とかそういう次元ではなくエントリークラスの小型ブックシェルフ以下の音なのです。
正直、高音がどうこうとか低音がどうこうの話しではなく、聴いた人でないとおそらくこの音を伝えることは不可能です。
特に、近くで聴く低音域の独特なもたつき感はある意味では希少価値、他のどのスピーカーにも無い野暮ったさMAXの独特な音色です。
ユニット構成は、5.7Cmのウーハー用のユニットを4つ、ツイーター用に5.7Cmのフルレンジを1つ使った変則2ウェイで、ウーハーの取り付け位置が中央のツイーターに対して上下に2つずつ非対称で付いています。
55WERの下側ウーハー部分拡大図
薄っすらと2つ並んだユニットが見えます。
この非対称の配置と、下部に設けた空洞によって管内で低域周波数を共鳴させ倍音合成によって排出するというアコースティックハーモニー技術というのを使っているスピーカー界の異端児です。
しかし、こんな異端児スピーカーも、使い方さえ正しければ別人のような振舞いをするのです。
とは言え、今のところでは出番がなく天の時が来るまで、大人しく待機中の身なのです。
最後に補足、55WERはできるだけ広い空間でミドルクラス以上のハイパワーアンプでゆったりと鳴らすに限ります、決して狭い部屋でニアリスニングで聴くスピーカーではありません。