2023年10月29日 08:00
オーディオの世界とは、興味ない人には理解不能な世界が数多く存在しています。
その極まった例が高級オーディオケーブル類でしょう。
アンプとレコードプレーヤーやCDプレーヤーを繋ぐRCAコネクタのアナログケーブルは、一般的な普及品だと数百円で買えます。
しかし、オーディオショップには1メートル1万円以上もするケーブルがゴロゴロしています。
またもっと信じられないのがスピーカーケーブルです。
スピーカーを買うとおまけに付いてくるのは1メートル100円程度のものですが、これも中には1メートルで5000円以上もするものが数多く有ります。
さて、こういった高級ケーブルを使うと音質が変わるのでしょうか?
私の経験上は、「解りません!」です。
この「解りません!」というのは「変わりません!」ではなく、音が変わったかどうかも解らないということです。
静かな環境下の広い部屋で、アンプとスピーカーが10メートル以上離れている場合に超高級ハイエンドなスピーカーとアンプを使っているなら音質が変わるのが解るかもしれません。
でも、2~3メートルほどの距離では殆どインピーダンス(交流抵抗)は無視できる範囲ですから、音質が劇的に変化するという事は考えられないのです。
スピーカーケーブルが長くなるとインピーダンスが増えスピーカーに並列にコンデンサが入ったようになり高域周波数が通過しずらい特性が現れるのです。
これは、電気工学を学んだ人は良く解る簡単なハイカットフィルター理論です。
並列のC(静電容量)が増えればハイカット、L(電磁容量)が増えればローカットというインピーダンス(交流抵抗)理論があり、これを応用してスピーカー内の各ユニットに適正な周波数の音だけを通すネットワークという回路が入っています。
尚、直列にCが入るとローカット、Lが入るとハイカットになります。
並列と直列ではCとLの相関関係が逆転します、RCAアナログケーブルもこれと同じことが言えます。
私はRCAケーブルだけは普及品ではなく頑丈なちょっと値の張るものを使用しています、これは音質を向上させるのが目的ではありません、丈夫で腐食しないので安心して長期間使っていられるという保険の目的です。
安物はすぐ壊れるし、腐食で接触不良を起こしてしまいます。
その意味では、スピーカーケーブルもおまけに付いてくるものは音出し試験用に使い、固定設置する際はスピーカー専用ケーブルを使います。
RCAケーブル同様に芯線が太くてしっかり固定でき、更には腐食しにくいという利点を得る目的です。
RCAケーブルは1メートルで1500円以上のもの、スピーカーケーブルは1メートル500円以上なら安心して使えると思います。
音質向上と言うなら、先ずはケーブル類にかけるお金をアンプやスピーカーに回すべきでしょう。
私の場合ですが、ケーブル類は安心感を得る目的で多数の予備を持っているのに気が付くと何本も一度に買ってしまいます。
その理由は頻繁にセットを入れ替えるので、ケーブルが引っかかってピンが折れたりしてすぐ壊れてしまうからです。
また、光デジタルケーブルを足に引っ掛けてヘッドを曲げてしまったこともあります。
光デジタルケーブルは先端のヘッドを曲げたらアウトです、元に無理やり戻すと、先端のケーブル自体が「ポキッ」と折れてしまいますから。
光デジタルやHDMIケーブル(ホームシアター製品のデジタル音画像用ケーブル)などは普及品でも高額で、まとめ買いするとあっという間に数万円にもなってしまいます。