2023年10月22日 08:00
世はデジタルオーディオ全盛期です、こんな時代の音質はどこで決まってくるのでしょうか。
電気信号を音に変えるのがスピーカーで、その電気信号を増幅して送り出すのがアンプです。
この経路はアナログそのものであり、最終段のトランジスタとアナログ的なLC(コイル、コンデンサー)が音質に影響してきます。
でも、デジタルオーディオのソースの音情報そのものはDAC(デジタル/アナログ・コンバーター)というデジタルからアナログに変換する装置で決まってしまうのです。
このDACの性能が悪いと、その音情報をそのままアンプを通して増幅されスピーカーで音に変換されますから、DACの性能そのものが音となって表現されてしまいます。
DACはその性質上デジタル回路であり、その中心はPCに使われているような演算装置(CPU)なのです。
演算装置と言っても計算を行うものではなく、音情報を専用に扱うデジタルシグナルプロセッサであり、メーカーはオーディオメーカーではなくICチップメーカーです。
CDプレーヤーは、CDから信号をレーザーピックアップにより読み取りデジタル信号処理装置を介してデジタル音情報を取り出します、その後にDACを通してデジタルかならアナログに変換しています。
85年以降のアンプにもDACが装備されている機種があり、CDプレーヤーと光デジタルや同軸(コアキシャル)デジタルでアンプに繋ぐとアンプ側のDACを通してデジタル信号がアナログに変換されるようになっています。
つまり、高級CDプレーヤーであればアナログでアンプと繋ぎ、デジタル対応の高級アンプであればデジタルで繋ぐ方がDACの性能が上がり音質が向上します。
また、外付けの高級DACを買えばCDプレーヤーやアンプのDAC性能は無関係に音質を向上させることができます。
最も解りやすく説明すると、ミドルクラス以上のデジタル対応のアンプを使うならCDプレーヤーはエントリークラスでも音質はアンプのDACに影響されることになります。
この場合は、CDプレーヤーとは光デジタルか同軸デジタルで繋ぐ必要があります。
つまり、CDプレーヤーはCDから音情報を読み取るだけの装置という考え方になります。
尚、アナログ入力しかないミドルクラス以上のアンプの場合はCDプレーヤーとは当然アナログで繋ぎますので、CDプレーヤーにはそれなりのハイスペックなものを使うことが望ましくなります。
CDプレーヤーもアンプも中途半端なものを買ってしまうと、両方に在るDACの片方は使われない状態となり宝の持ち腐れとなってしまいます。
要は、物事の原理原則(ファンダメンタルズ)を完全に理解していれば、無駄にお金を使わずに済むという事です。
どこまでデジタルでどこからアナログにするか、こういった理屈を理解したうえで組み合わせる製品を選定する必要があるのです。