2025年5月 9日 08:00
ウグイスゴケはコケという名がついていますが正確には地衣類です、地衣類は梅や松などの樹皮に寄生するウメノキゴケなどが割と発見しやすく地球全土に自生しています。
地衣類は生態的にはコケなどの植物というよりもキノコに近い菌類で菌類と植物の進化の過程で進化が止まって現在までに生き続けている生命体です、キノコなどの菌類が光合成を行うシアノバクテリアを細胞内に取り込み光合成によって栄養素を作り出し成長できるように進化した真核生物で研究材料としては非常に興味深い生命体です。
盆栽やテラリウムなどの観賞用としての価値はほぼ無く大学などの植物学上の研究対象としての価値で取引されています、感触は綿のようで不思議な感触をしており表面に細かな菌糸が出ているせいか貼りつくような性質を持っています。
本品はコケをネットで大量に購入した際にオマケとして付けていただいたもので表示には「ラッパゴケ」と書かれていました、調べてみると先端がラッパのような形状をしているところから別名でラッパゴケと呼ばれていることが解りました。
オマケとはいえせっかく手元に来たのですからどのように繁殖していくのかを観察するためにロングシャーレで育てることにしました、いろいろ実験してみて解ったことはコケのように湿気が多いと弱ってしまいます、入れ物などに閉じ込めず自然の中に置いたほうが元気に成長するようです。
地衣類であるウグイスゴケを標本にして成長を観察します
枯葉などの上に自生するためソイルはコケ類とは別のピートモスを主とした自家製培養土を使っています
ウグイスゴケ(拡大)
表面には細かな糸状の毛がびっしり付いているので土や枯葉などがくっつきやすい
シアノバクテリアを細胞内に取り込んでいるために太陽光を浴びて緑色になっています