地方オフィスのガーデン内に多数のシダが自生しています、その中でも夏場に一際目立つのがこのカナワラビです、群生すると非常に美しいシダです、観葉植物として室内で育てているシダファンも多いです。
冬には葉が全て枯れてしまいますが、温かい室内で育てれば年中常緑観葉植物として育てることができます、東南アジア諸国では道路の脇や公園などに生い茂っていますが全然雑草に思えないのが凄いです。
夏場に涼しげなカナワラビ
群生すると美しい

同じ環境でも自生している場所で若干葉の形が異なります
どうも陽の当たり方とか土壌の水分などによって異なるようです

同じガーデン内の見分けがつかないほどカナワラビとよく似ているシダ
先端の葉の形が明らかに違います
現在調査観察中

涼しげな葉が魅力でガーデニングに鉢植え園芸にと昔から大人気のタマシダです、日本の南部に自生するシダですので耐暑性に強く乾燥にも強いのですが耐寒性にやや劣るシダです、上手く育てれば根元からランナーを伸ばしてものすごい勢いで増殖します。
鉢植えで2年ほど育てているのですが、今年の春に冬季には最低気温がマイナス5度ほどまで落ちる地方オフィスのガーデニングの素材として実験的に植えてみました、環境適合して冬越し出来るようであれば現在メインで育てている大株を株分けして大量に植えようと思います。
台湾など亜熱帯地域では垣根に立体的にタマシダを張り生垣にしている家も見られます、風に揺れるタマシダは非常に見ごたえのある姿を醸し出します。
買ってきた当初は若い株なので弱々しいタマシダ

1年で5倍ほどに増殖します
成長した株の葉は螺旋を描くように成長していきます
株分けしてスタッフにあげたり実験的にガーデンに植えました

鉢の左側に注目
数本のランナーを伸ばしています
これが地面に触れると子株が芽吹きます
鉢植えでは鑑賞の邪魔になるのでカットしてしまいます

山合いの岩肌などでよく見かけるノキシノブは岩肌から髪の毛が生えているような雰囲気もありちょっと不気味な植物でもあります、本来のシダのような葉の広がりも茎立ちもないのですがれっきとしたシダの仲間です。
昨年購入した不動産の庭石にもびっしりと生えていました、シダ類なので日陰を好みますので東京などでも神社やお寺の庭石などにもよく見られます。
園芸として楽しむ人は少ないと思いますが時折大型テラリウムやビバリウムで使う例を見ますので湿地帯の自然な風景を表現するにはいいのかもしれません、私も一時期栽培していましたが家の中での繁殖は非常に難しいです、ベランダで放置栽培するのが良いようです。
昨年購入した家の庭石に自生しているノキシノブ
長いものだと30Cmにもなります
下に見えるシダはカタヒバ

アクアリウムファンにはお馴染みの水草であるミクロソリウムは実は水生のシダ類です、アジアやオセアニアの熱帯地方に生息しています、近年では日本の環境に適合するように改良されアクアリウムショップで販売されています。
小石や砂に埋めてあげれば水道水だけで液体肥料も添加することなくほぼ放置状態でどんどん成長していきます、アクアリウムをやっていた頃を思い出して懐かしさのあまり3種を衝動買いしてしまいました、部屋のアクセント的に明るい窓辺にガラスケースに入れて飾っています。
ミクロソリウム・ナローリーフ

ミクロソリウム・トライデント

ミクロソリウム・スモールリーフ

この得体の知れない植物は見た目も触った感触も多くの人はビニールかプラスチックで作った下手な造花だと思うでしょう、実はこの植物はマツバランというシダ植物です、ランと名前が付いているのでランの仲間と勘違いされますがれっきとしたシダです。
このマツバランは「根も葉もない嘘」という話のネタとなっている植物で本当に根も葉もなくすべてが茎だけでできています、地下茎でランの仲間のように木や岩に着生して胞子と地下茎からの分枝で増えていきます、ランの仲間ではないので花は咲かずに茎の先に胞子嚢を付けます。
地下茎で繁殖するのを観察中のマツバラン

このマツバランを上手く育てるのは放置です、他のシダ類のように水をたっぷりあげると夏場などは蒸れてあっという間に腐ってしまいます、ミズゴケやココピートなどの天然植物繊維で包みこむように植えランのように乾燥気味に育てるといつまでも元気で鑑賞できます、できれば屋外で水もあげずに放置していたほうが雨や空気中の蒸気で水分を補給しながら繁殖します。
室内で育てるなら半日陰の窓際で通気のよいところに置き時々ミストスプレーで湿気を与える程度がいいです、根が無いので肥料は不要で与えても意味がありませんし肥料焼けで枯れることもあります、木陰や木の上でひっそり繁殖するマツバラン、人間があれこれと手を加えたらきっと居心地が悪く枯れてしまうでしょう。
尚、現在では多くの自治体で絶滅危惧種となっており環境省では準絶滅危惧種の扱いになっています、したがって流通しているのは全て自家繁殖されたもののはずです(個人でネット販売している場合は不明)、盆栽や観葉植物の山野草類には既に自然界には存在しない種が実に多いのです。
道楽を通してこういった絶滅や絶滅危惧種を保護する活動をしている人もいます、昨今のこうした活動家の問題は後継者がいないことです、引き継がれることなく絶滅する種が今後急増していくのかと思うと心が痛みます、微力ながらも私も絶滅危惧種の保護に道楽を通して可能な限り参加していきたいと思います。