山合いの岩肌などでよく見かけるノキシノブは岩肌から髪の毛が生えているような雰囲気もありちょっと不気味な植物でもあります、本来のシダのような葉の広がりも茎立ちもないのですがれっきとしたシダの仲間です。
昨年購入した不動産の庭石にもびっしりと生えていました、シダ類なので日陰を好みますので東京などでも神社やお寺の庭石などにもよく見られます。
園芸として楽しむ人は少ないと思いますが時折大型テラリウムやビバリウムで使う例を見ますので湿地帯の自然な風景を表現するにはいいのかもしれません、私も一時期栽培していましたが家の中での繁殖は非常に難しいです、ベランダで放置栽培するのが良いようです。
昨年購入した家の庭石に自生しているノキシノブ
長いものだと30Cmにもなります
下に見えるシダはカタヒバ

糸のように細い茎と葉で可憐な黄色い花を咲かせるイトバハルシャギクは昔から野草ファンに愛され続けています、ガーデニングでの樹木の下を埋めるグランドカバーや鉢植えで大事に育てられています。
キク科の植物ですが花の形は小さなヒマワリのようです、「春に車輪のような花を咲かせる細い葉のキク」という意味から「細葉春車菊」と名ずけられました。
アメリカ原産で園芸店では英名の「コレオプシス」として売られている例が多く、近年では改良された赤い色や八重咲のものも出回っています。
シランの下に埋もれるように咲くイトバハルシャギク

イトバという名が示すように葉は非常に細長く糸のようです

多年草の宿根草で冬に土を掘り根を確保さえすれば、その根を鉢に向きなどを気にせず適当に植えるだけで春には勝手に生えてきます、非常に生命力が有るので扱いやすい園芸山野草です。
東京のとある場所の花壇で見つけた正体不明のコケです、私の知識不足だと考え図鑑やネットでいろいろ調べてみたのですが結局3年経った今でも解らずにいます。
見た感じではフデゴケやシッポゴケのようですが胞子嚢の形は別のコケのように見えます、そして一緒に生えていた植物ですが右側は間違いなくシダ類ですが、このシダもまた図鑑に載っていません、もしかしたら普段よく見るイノモトソウの繁殖葉ではなく成長過程における栄養葉なのかもしれません、左は形や大きさから山野草の一種ですね。
そんなわけで全てが謎なのです、ただあくまでも推測ですがおそらく買ってきたテラリウムのコケなどの植物が増殖し手に負えなくなって捨てたのではないかと思うのです、そしてこの花壇の中で環境適合して自生してしまったものと考えています、それにしてもこういうワンスポットで自生している複数の謎の植物と出会うと頭が混乱します、これもまた植物道楽の楽しみでもあるのです。

ウグイスゴケはコケという名がついていますが正確には地衣類です、地衣類は梅や松などの樹皮に寄生するウメノキゴケなどが割と発見しやすく地球全土に自生しています。
地衣類は生態的にはコケなどの植物というよりもキノコに近い菌類で菌類と植物の進化の過程で進化が止まって現在までに生き続けている生命体です、キノコなどの菌類が光合成を行うシアノバクテリアを細胞内に取り込み光合成によって栄養素を作り出し成長できるように進化した真核生物で研究材料としては非常に興味深い生命体です。
盆栽やテラリウムなどの観賞用としての価値はほぼ無く大学などの植物学上の研究対象としての価値で取引されています、感触は綿のようで不思議な感触をしており表面に細かな菌糸が出ているせいか貼りつくような性質を持っています。
本品はコケをネットで大量に購入した際にオマケとして付けていただいたもので表示には「ラッパゴケ」と書かれていました、調べてみると先端がラッパのような形状をしているところから別名でラッパゴケと呼ばれていることが解りました。
オマケとはいえせっかく手元に来たのですからどのように繁殖していくのかを観察するためにロングシャーレで育てることにしました、いろいろ実験してみて解ったことはコケのように湿気が多いと弱ってしまいます、入れ物などに閉じ込めず自然の中に置いたほうが元気に成長するようです。
地衣類であるウグイスゴケを標本にして成長を観察します
枯葉などの上に自生するためソイルはコケ類とは別のピートモスを主とした自家製培養土を使っています

ウグイスゴケ(拡大)
表面には細かな糸状の毛がびっしり付いているので土や枯葉などがくっつきやすい
シアノバクテリアを細胞内に取り込んでいるために太陽光を浴びて緑色になっています

アクアリウムファンにはお馴染みの水草であるミクロソリウムは実は水生のシダ類です、アジアやオセアニアの熱帯地方に生息しています、近年では日本の環境に適合するように改良されアクアリウムショップで販売されています。
小石や砂に埋めてあげれば水道水だけで液体肥料も添加することなくほぼ放置状態でどんどん成長していきます、アクアリウムをやっていた頃を思い出して懐かしさのあまり3種を衝動買いしてしまいました、部屋のアクセント的に明るい窓辺にガラスケースに入れて飾っています。
ミクロソリウム・ナローリーフ

ミクロソリウム・トライデント

ミクロソリウム・スモールリーフ
