2024年10月 1日 07:00
10年ほど前からアメリカ経済雑誌の多くに「グローカリゼーション」という文字を見つけることができます、最初「グローバリゼーション」と混同しましたが明らかに意味合いは異なるものです、調べてみると古くは1990年終わり頃から教育論文などに多数使われていることが判明しました、「グローカリゼーション」とは「グローバル」(世界規模)と「ローカル」(地元)を融合させた新語の「グローカル」の思想や行動を指し、まだ正確な定義をされているものではありません。
その多くの使い方としての意味は「ローカルに生きてグローバルを意識してビジネス推進する」というようなものです、これは具体的には何を指しているかというと「ローカルに生きる」とは自分の住んでいる地元の良さを再認識しようというものです、新しい物や思想を求めて海外に目を移すのは良いとして自分が勝手知る地元の良さを忘れてはならないということです、もっと地元を再認識して本当の良さを追求していこうということです。
そして「グローバルを意識してビジネス推進する」とは世界に視野を向けて新たなる文化構築とビジネスの推進を行うというものです、この本当の意味を知ったとき私の中に以前からずっとモヤモヤしていた「ポストWeb2.0」の姿が浮かんできました、「ポストWeb2.0」を自分なりに「リアルとWebの融合」と意味づけしていました、「Web1.0」が片方向の情報提供、そして「Web2.0」が双方向の情報結合を意味するなら、次に来るものは「リアルとWebとの融合」をおいて他に考えられないからです。
この具体的な行動が「グローカリゼーション」に見出すことができたのです、「ポストWeb2.0」=「グローカリゼーション」と言っても過言ではないでしょう、ようやく私の頭の中に「次代を生きるための企業の取るべき姿」がはっきりと浮かんできました、昔から私は海外によく行きます、行き帰りの飛行機で毎回のように数冊の最新ビジネス書籍を読み漁り強い企業の実態を肌で感じ日本を始め世界の急成長企業を自分の目で確認し結論付けできたのです。
強い企業はグローカリゼーションを実行もしくは今後早急に実行しようとしているのです、そこで日本においてのその具体性を検証してみました、日本といえば世界最新技術項目50品目のうち30%以上も占めている先進技術大国です、バブル経済期には50品目のうちなんと47品目で世界一位という超先進技術大国でした、我々はそんな誇りある国の国民なのです。
例えば「精密加工技術」では世界唯一の血管内を移動する超マイクロロボットがあります、これは歯車からモーターなどの駆動系までとにかく他国の比ではありません、全てがオンリーワンの日本製なのです、超小型高性能リチウムバッテリーも太陽電池もCCDなどの映像受像素子も世界に誇る日本の最先端技術は山ほどあります。
携帯電話は日本の電子部品が主要回路を独占しています、震災などで日本にあるこれらの工場がストップすれば世界中の携帯電話メーカーでは製造が行われない事態になります、カセットテープやビデオテープ、更にはフロッピーディスクやCDに始まりDVDやブルーレイなど家電やIT製品のメディアのスタンダード(世界標準)は全て日本企業の特許です。
これらを見ても日本の先進技術が如何にすぐれているかが解ります、更にあらゆる素材も昔から日本にはすばらしいものが沢山あります、うるし・染物・紙・合成繊維・合金・インクなど、これらも日本独特の他に類の無い高い品質と特徴を持っています、特に蝶の羽のような7色に輝く光沢を出す塗装技術や鍋に利用しても燃えない紙など数えたらキリがありません。
驚く事にこれらを加工製造しているのが無数に存在している従業員が数名の町工場なのです、そして現在では世界の機関投資家が狙っている優秀な技術を持つ企業が日本にはなんと数万社も存在しているのです、加えてIT技術もアメリカに次ぐ先進性を発揮している企業も少なくありません、大型高性能コンピューター部門では常にトップを走っています、次世代の量子コンピューターにおいては独占的な地位を確立しています。
世界的に技術優位にも関わらず何故日本人は日本国内に目を向けず世界にビジネスのヒントを求めるのでしょうか、日本の投資機関も政府も国内を把握していないのを尻目に世界中の投資家が日本の独自技術に注目し投資や企業買収を積極的に仕掛けています、連日のように世界中の投資家が東京大田区にある無数の町工場に押し寄せているのです。
結局新技術が実用段階になると儲かるのは海外の投資家であって日本のメーカーはただ作るだけになってしまっています、これが30年間のトレンドであり事実なのです、日本政府は何をしているのでしょうか、他国にODA(経済支援)を積極展開しても自国の文化や技術には投資しない、なんという理不尽で無能な施策を行う国なのでしょうか?
これから我々日本人が成す事は技術やビジネスをを輸入することではありません、すばらしい文化や技術を世界に自ら売ることです、シェアが広がることで当然素材も製品も製造原価が落ちます、しかし更に市場は拡大するのです、ここにビジネスチャンスが大きく広がるのです。
視点を自分の近くに持ってきてください、その地方独自の技術や素材が沢山有ることに気付くと思います、更に売るのは昔のように世界中に行って売る必要もないのです、商社と提携するなり世界に繋がっているWeb販売ということも現代では実に簡単にできます、皆さんもビジネスのヒントを世界に求めるのではなく、是非日本のそれも身近な所に落ちていると考え再度視点を変えてみてはいかがでしょうか。