2024年5月 7日 01:00
韓国ドラマの「客主」は朝鮮が統一された頃から活躍していた朝鮮の行商人の人生を描いたドラマですが現代ビジネスに通じる多くの学びが得られるので録画しては週末にまとめ観しました、この中でハッとする台詞がありました、それは「商人は物を扱うが大商人は人を扱う」という台詞です、まさにこれは私が提唱している「B2Cビジネスを行う者はB2B2Cビジネスを思考すべし」に通じ極めて的を得ている言葉だと感じ入りました。
B2Cとは法人が一般消費者へ直接物を販売する方式で世にある多くのビジネスの原点ともいえます、スーパーやコンビニも金融機関もこのB2Cビジネスです、しかし大企業が巨大な資本と多数の人材をかけて行うB2Cビジネスは薄利多売であっても扱う量が巨大で組織化して行う為にシステマチックに生産と流通、そして販売を行えるため社員一人当たりの売り上げも巨大なものとなります。
しかし小規模企業や個人事業主がB2Cビジネスを行おうとするとシステマチックな活動が行えないために多くのロスが出てしまいます、これは「組織生産理論」の最も基本的事項です、例えばある機械を一人で組み立てると1台当たり1ヶ月かかるとします、ところがこの機械を幾つかの部位に分けてそれぞれの部位別に担当する人を当てると10人で1ヶ月に30台もの機械が作れるようになるのです、つまりこの場合では1人当たりの生産力は一気に3倍となります、人を増やせば更に生産効率が上がります。
要は孤軍奮闘はロスが大きいことが解ります、あくまでもB2Cビジネスは組織で行うから高生産性が得られて利益になるのです、小規模企業は大きな資本力も多数の人材もありません、そこで考えてほしい方式がB2B2Cというビジネス方式です、B2Cが法人から一般消費者へ直接販売するのに対してB2Bは法人同士の取引となります、つまりこれを組み合わせた方式がB2B2Cであり当該の法人は法人相手に物を売り、買った法人が一般消費者に売るという方式です。
簡単に言えば販売力のある代理店に自社の商品を売ってもらうということになります、直接販売に比べて1個当たりの利益は少なくなりますが量がさばけるようになり量産できるようになります、これによって1個当たりの利益の減少を抑えて生産コストも大幅に下がり量の勝負で多額の利益を確保することができます、また販売に係るコストも大幅に削減できるため低コスト高利益率ビジネスが行えるようになります。
製品の製造販売を展開する企業にとってB2B2Cビジネスはまさに百人力のビジネス手法と言えるでしょう、尚正確に言うと商材がサービスのみの業種、例えばコンサルティングやディプロマビジネス、あるいは講座や塾、またITやデザインなどの請負業務などにはB2BやB2Cという論理は直接適用されません、ただしビジネスの概念として正確に理解したうえで用いるのは当人の責任においては他者がどうこう言うこともないでしょう。
最後に冒頭の「客主」の中で感動の台詞がもう一つあります、「商人は死後お金を残すが、大商人は死後人を残す」、成功者とは何事も常に「人」なのです、そこに時代も民族も関係ありません。