2022年9月 6日 01:00
「バートランド・ラッセル」、世にいう天才は数多くいますがその中で私が思考的に影響を受け心の師と仰ぐ人を3人上げるとすれば、迷わずアルベルト・アインシュタイン、ジョン・ノイマン、そして私の人生の目標にしたいほどの大天才であるバートランド・ラッセルです。
アインシュタインはいうまでもなく「相対性理論」や「特殊相対性理論」を打ち出し、「量子力学」・「宇宙理論」を飛躍させたあまりにも有名な大天才です。
ノイマンは数学の天才でコンピュータの計算ロジックの基礎を作り、現在使われている大型コンピュータからマイコンまで全てがノイマン型の論理ロジックが基本となっています。
そしてラッセルですが、アインシュタインと親交が深く論理学(アルゴリズム)の世界的な権威であらゆる分野で天才振りを発揮しました。
そして1955年に「ラッセル&アインシュタイン宣言」を発表し、核兵器の使用を禁じ原子力を平和利用しようと訴えました。
この宣言には日本の湯川秀樹も含めた計11人の科学者が署名し、全員がその後にそれぞれの分野でノーベル賞を受賞しています。
私がラッセルを人生の目標としたいのは実はこういう天才科学者としての生き方ではないのです、彼がノーベル賞を受賞したのはなんと物理学賞ではなく「文学賞」だったのです。
人生の晩年、彼はそれまで発見・提唱してきた論理学や数学といった分野から、人間の行動に基づく社会構造や教育理論にそれを応用し多くの思想や哲学を創出し発表しました。
研究の対象を科学から人間、それも「心」の領域に科学者で始めて踏み込んだ人なのです、その多くの理論の中でも特に有名なのが「パラドックス理論」や「階型理論」があります。
これらは当時閉塞感のあった数学や物理学に新たなる方向性をもたらしました、特に「階型理論」はその後AIの言語分析という領域において基本アルゴリズムとして君臨し続けています。
当時の科学者の多くの思考の壁は実は自分自身の「心」にあったのです、それを自らの体験を基に体系的にまとめ論文として発表し続けました、したがって科学者でラッセルを慕う人は多いのです。
彼は当時では驚きの98歳まで生きました、それでも「もっと時間が欲しい」と最後まで言い続け研究に没頭していたのです、もっと多くの時間が彼にあったらもっとAIが早く発展したかもしれません。
クールな科学という分野を生き、「人間」や「心」を科学で解明しようとしたホットな大天才、もっと多くの人に「バートランド・ラッセル」を知ってほしいと願うばかりです。