2022年8月25日 01:00
今回は、マーケティングの重要項目である「消費者ニーズ」について説明します。
「消費者ニーズ」は、「市場性」と合わせてマーケティング論では「マーケティングリサーチ」と呼ばれています。
リサーチによって「市場性」は十分に有ると判断された場合、次に重要なのが市場が有ったとしても「消費者ニーズ」は本当に有るかということです。
既存の事業や商品であれば統計的にある程度の数字が読めるのですが、どの企業も既存商品と競い合おうとは思わないはずです。
既存の商品でも品質向上させたものや、スタイルやデザインを変えて今までに無い斬新なものを出していくはずです。
つまり、今までに無いものが本当に受け入れられるかをある程度実証されなければそれを行う意味が無くなります。
企画したものがどのくらい消費者に受け入れられるかを、事前に入念に調査することが必要となります。
また、「市場性」との掛け算で事業規模をより正確に割り出すことがこの調査結果のデータで可能となります。
最も多く用いられる手軽な方法としては、調査会社に依頼して事前アンケートを行うことです。
調査会社に送り先リストと共に商品が判る資料とアンケート用紙を渡して調査代行を行ってもらいます、著名な調査会社であれば高額になりますが返答率は期待できます。
送り先リストはカテゴリーデータでリスティングサービスもしてもらえますので、時間が無い企業にとってはありがたいサービスとなります。
もう一つはアンテナショップです、これは物理的なショップとWebやフリーペーパーなどの媒体を利用した場合が考えられます。
更に商品やサービスの内容によっては、デモが行える物理的な場所が用意できれば数ヶ月間の試行を行えアンケート結果と併用すればより正確なデータが得られます。
いずれにしても、本格稼動や発売の前に充分な調査を中心とした準備期間を設けることが肝要です。
また、まずは最終商品を作ってしまって調査や市場開拓を目的にサンプルとして活用する方法もあります。
先行投資は必須ですが、改良を加えていく方法としては市場を作りながら行えるので小規模事業者には有効な方法だと思います。
良い事業アイデアが出ると誰しも上手くいくことを確信して即行動を起こしたがるものです、しかしこの段階での確信は「根拠の無い自信」でしかないということを理解していただきたいと思います。
また、事業融資や出資を必要としているなら当然これらのデータは必要不可欠なものとなります、アイデアと計画だけでお金を出してもらえるほど世の中は甘くはありません。
事業計画の数字の根拠を求められたときに最も有効な裏づけは既存の統計数字ではありません、これらの具体的な行動による調査データだと言うことを忘れてはいけません。
また、これらの事前の調査などの経費を最初から見込んでおくことも必須事項です。
最後に、「市場性」と「消費者ニーズ」のマーケティングリサーチの結果、本当に上手くいく確信的なデータが出なければその事業は止めておいたほうが良いでしょう、経営判断とはスピードと潔さが肝要です。