電子マネーは1990年代に次々に誕生して以来、爆発的な成長を遂げ栄華を誇ってきました。
しかし近年減益に陥る電子マネー運営企業が急増し、交通系など一部を除くと淘汰の嵐が吹き荒れています。
オンラインゲーム決裁を売りにしてきた電子マネーでは、ピーク時に比べて50%以上もの減益で生き残りをかけて突破口を模索しています。
プリペイド方式の電子マネーは、誕生当時クレジットカードを持てない社会信用力の低い人や学生を中心にインターネットでクレジットカードと同等に使える事を最大の売りにして急伸しました。
オンラインゲーム会社やネットショッピング会社も売り上げが上がるために取り扱う企業が増え後押ししました、その後電子マネーに押されていたクレジット会社各社は審査基準を緩和し家族カードなどで誰でもが持てるように方針転換しました、また銀行が発行するクレジット機能付きのデポジット(デビッド)カードが普及し始めて電子マネーの牙城を崩し始めたのです。
ここで電子マネーの大きな欠点がクローズアップしてきます、金融機関でなくても発行できるというメリット以上に「フルチャージしても少額しか扱えない」、「残高を換金できない」ということが最大のネックになっています、また使えるシーンが限られている点も見逃せません。
このまま電子マネーは市場から姿を消してしまうのでしょうか、電子マネー会社は現在大きな岐路に立っている事は確かです、キャッシュレス全盛時代の到来を前にして生き残るには有効な戦略が必要不可欠です、過去の栄華に胡坐をかいていては確実に淘汰されていくでしょう。
数年で消えていった交通系プリペイド型電子マネーは、チャージ式にすることと交通機関以外の提携店を必至で増やすことで生き残りました、そして再び大きな市場を得ています。
利用母体を自ら持たない電子マネー企業が今やらなくてはならない事は何でしょうか、私には一つの方法しか思いつきません、ITの未来と今後の未来社会をはっきり読めている人には明確に解ることです。
「ウォレット」とは仮想通貨などのデジタル資産における口座を指しています、仮想通貨取引を行うには取引所に必ず身分証明書を送った上でアカウントとウォレットを開設することから始まります。
このウォレットはクラウド上の口座です、全てが暗号管理されていますが自身がウォレットIDやアクセスキーを忘れてしまった場合はウォレット自体は無くなりませんが事実上仮想通貨を扱うことができずにコインを失うことになります。
ハッキングやPCの故障などで実際に仮想通貨を失ってしまうケースは少なくありません、この点では銀行のような決裁母体が無い仮想通貨では極めてリスクが高いと言わざるを得ません。
こうしたリスクを克服しようとする試みがハードウォレットという技術です、ただ現在では確実な実用段階には至っていません。
仕組みそのものは各種各様に検討されていますが私はUSB型の秘密の認証機能を有したハードウォレットを思考しています、このハードウォレットとはクラウド上に作成されたウォレットと連動する一つのキーで自家用車のキーと同じだと考えれば解りやすいでしょう。
ウォレットIDやアクセスキーを盗まれる不安もなく、忘れてしまった場合にアクセス不能になることもありません。
また、例えばUSB型キーを紛失してもセキュリティ上は問題ありません、本人認証機能を有していますので本人以外が使っても意味のない物となるからです、これを購入時に2つ同じものをセットで購入すれば自身の仮想通貨を守ることができます。
更にはどのパソコンでもUSBソケットに挿せば自動的に仮想通貨取引所のウェレット管理画面になります、また抜いてしまえばオートデフォルトされパソコン上のこれまでのキャッシュが全てパージされます。
このような仕組みを「シンクライアント」といいLinux全盛期から在る技術の一つです、このように仮想通貨時代には不可欠なハードウォレットですが既にブロックチェーン関連各社は実用化に向けた施策段階に入っています。
私は過去多くの映像関連の特許出願と同時に世界初のデジタル映像処理システムを多数世に送り出してきました、特にデジタル動画技術に関しては世界初を連発させては製品化し、セキュリティショーなどでは多くの企業から事業提携のオファーを貰い共同事業化し推進させました。
特に監視カメラへの応用、リアルタイム動画合成、動画高圧縮技術と高速画像伝送など、いまだにこれらの公開記事は特許情報も含めてネット上にキャッシュされており山のように検索されます、これらの事業は技術も含めて全て譲渡し技術も技術者も存続されています。
そして今再び復活させ注力しようとしているのがやはり専門としてきた映像に関する新技術です、特に旬なのが超VR(バーチャルリアリティ)ですが加えて顔認識技術に注力しようとしています。
この顔認識の利用範囲は防犯だけではありません、簡単に言うと人間カウンターに成り得るのです。
そのポイントに何人の人が通行するのかという調査があります、これは公道だけではなく駅構内やデパートなどでの通路の確保などでは重要な調査です。
これらは現在、人の手によるカウンターで計測するというデジタル全盛時代にも関わらず何ともアナログな世界なのです。
こういった人間カウンターがこの技術によりあっという間に自動計測が可能になります、しかも性別・年代を誤差10%未満で記録します。
この技術に加えて映像をそのまま画像情報で残すのではなくデジタルデータ化する技術があります、更に暗号化分散化して改ざんできいブロックチェーンと組み合わせて製品化すればあらゆる分野に応用できるのです。
そうした中で某テレビ局から面白い話しが入りました、その利用法は技術企業では想定できないようなリアルタイムでの利用法であり異業種コラボ特有のケミストリーなのです、この技術はいったいどこまで飛躍するのか楽しみでなりません。
電子バウチャーとはデジタル処理されるクーポン券や引換券などの現金や電子マネー以外のお金と同等の価値を持つ電子媒体を指しています、その必須条件としてグローバルビジネスを意識するのであれば日本円やUSドルという国際基軸通貨を売買ベースにする必要があります。
つまり日本人がこの電子バウチャーを円で購入して保持していても換金の際にも円なので資産価値は変わることはありません、ところが基軸通貨国以外の国の人が電子バウチャーを購入する場合はどうでしょうか、ここには日本国内では一切発生することがない「為替」という事項が発生します。
例えば、中国人が元が高いときに電子バウチャーを元で購入し、元が安くなったところで日本円で買い戻したらどうなるでしょうか?
そうです、購入して保持するだけで利益が出るのです、また投資信託の投資対象としても存在価値を示すことができます。
日本人ではあまり関心を示さないのですが、この仕組みの説明を一瞬で理解できるのが海外の投資機関なのです。
さて、ここで電子バウチャーをわざわざ買わなくても円を直接買えばいいではないかという疑問が出ます、ところが国際協定があり一般人が多額の外貨を保持することは世界中で認められていません、ここに電子バウチャーの素晴らしさが存在しています。
私は電子バウチャーの特許申請の時から、どこかの国の金融機関がこの理論に気がつくことをずっと待ちわびています、仮想通貨を自国のフィアット通貨(公式通貨)にして運用している国が存在しているくらいですから別段驚くような話しではありません。
「不動産テック」という言葉は一時期業界紙面を賑わしていましたが、最近ではほとんど見なくなりました。
ほんのちょっと前までは、IT業界の巷では「ポスト・フィンテック」分野として注目されていた技術カテゴリの一つで、世界的な名称としては「リアルエステートテック」であり、日本では解りやすく「不動産テック」と呼ばれています。
フィンテックが金融のIT化であれば、「不動産テック」はまさに不動産業界のIT化を指しており、不動産の売買や仲介を省力化し利益率を高めようという試みです。
特に、政府もこの分野に注目しており、人口減少が起こる中で中古住宅販売市場規模を現在の10兆円から20兆円に引き上げたい意向を示し各種の支援を行おうと計画しています。
具体的な動きは既に浸透しつつあります、例えば中古住宅の売買におけるAIを駆使した概算見積もりに始まり、近い将来は売買契約に係る重要事項説明書などを自動作成してしまうなど多岐に渡っています。
またデジタルマーケティングも今後は多くの不動産企業が採用してくると考えています、オウンドメディアなどを活用しての極めて有益な「ここだけ情報」や自社の投資会員として抱え込むための投資家向けの最適な投資プランの作成など、その企業にしかできないオリジナルの手法が次々に展開されてくると思います。
更には今後は限られた地域での地域通貨的なデジタル金融媒体との連携が考えられます、ここに私は非常に強い関心を示しています。
日本の不動産は排他的且つ閉鎖的と世界中から言われています、つまり正確な詳細情報が専門業者でないと掴めないのです、この分野は今はまだ誰も気が付いていません、意外やIT業界の大穴分野かも知れません。
「不動産テック」という言葉が聞かれなくなったのは既に話題性が無くなったからです、つまりこれは業界の常識となり標準となったからに他なりません。
多くの人は話題を振りまいた言葉が使われなくなると「廃れた」と考えます、しかし成功者は祭りの後にこそ利益を取りにいくのです。