2023年3月24日 07:00
「不動産テック」という言葉は一時期業界紙面を賑わしていましたが、最近ではほとんど見なくなりました。
ほんのちょっと前までは、IT業界の巷では「ポスト・フィンテック」分野として注目されていた技術カテゴリの一つで、世界的な名称としては「リアルエステートテック」であり、日本では解りやすく「不動産テック」と呼ばれています。
フィンテックが金融のIT化であれば、「不動産テック」はまさに不動産業界のIT化を指しており、不動産の売買や仲介を省力化し利益率を高めようという試みです。
特に、政府もこの分野に注目しており、人口減少が起こる中で中古住宅販売市場規模を現在の10兆円から20兆円に引き上げたい意向を示し各種の支援を行おうと計画しています。
具体的な動きは既に浸透しつつあります、例えば中古住宅の売買におけるAIを駆使した概算見積もりに始まり、近い将来は売買契約に係る重要事項説明書などを自動作成してしまうなど多岐に渡っています。
またデジタルマーケティングも今後は多くの不動産企業が採用してくると考えています、オウンドメディアなどを活用しての極めて有益な「ここだけ情報」や自社の投資会員として抱え込むための投資家向けの最適な投資プランの作成など、その企業にしかできないオリジナルの手法が次々に展開されてくると思います。
更には今後は限られた地域での地域通貨的なデジタル金融媒体との連携が考えられます、ここに私は非常に強い関心を示しています。
日本の不動産は排他的且つ閉鎖的と世界中から言われています、つまり正確な詳細情報が専門業者でないと掴めないのです、この分野は今はまだ誰も気が付いていません、意外やIT業界の大穴分野かも知れません。
「不動産テック」という言葉が聞かれなくなったのは既に話題性が無くなったからです、つまりこれは業界の常識となり標準となったからに他なりません。
多くの人は話題を振りまいた言葉が使われなくなると「廃れた」と考えます、しかし成功者は祭りの後にこそ利益を取りにいくのです。