2023年10月16日 07:00
BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)は、毎年のように未来に起こる経済や社会現象を予測しレポートを発表しています。
近年では、毎年のように「デジタルトランスフォーメーション元年となる」という事項がありましたが既に今春ごろから本格化する兆候が見られます。
さてデジタルトランスフォーメーションとは何かというと、これまでの企業における業務フローの多くをデジタル化(IT化)しようとする企業内改革を指しています。
これまでIT化には疎遠だった介護や訪問販売といった業種も、早急にIT化に取り組まざるを得ないといった話しも聞かれるようになりました。
これからの経営コンサルタントはこれまでのアナログからデジタルへの移行、つまりIT化コンサルティングが主流となります。
つまり、経営コンサルティングのサービス自体がITコンサルティングに移行していくのです。
これは、世界中の経営コンサルタントはITスキルを身につけなくては生きていけないことを意味しています。
事実、アメリカでは既に大手企業の多くは、これまでの経営・財務コンサルタントに加えCDO(チーフ・デジタル・オフィサー:最高デジタル責任者)を顧問として迎える現象が起こっています。
さて、そこでデジタルトランスフォーメーションには、大きく4つのカテゴリが存在しています。
一つは「顧客体験の進化」、これは簡単に言うとオウンドメディアなどを使った企業と顧客の価値観の共有を図ろうというもので、VRなどを駆使した仮想体験などもこれに含まれると考えています。
次に「革新的商品・サービスの展開」で、デジタルを駆使したこれまでに無かった商品やサービスを展開するというものです。
例えば、24時間何時でも受け付ける銀行や役所業務など、人間からデジタルに置き換わることでこれまでで実現できなかったことが実現可能になってきます。
次が「ビジネスプロセスの革新」で、流通や販売などにおいての入口業務から出口業務までをデジタル化しようというものです。
また、企業内業務フローはこれによって一変し、人間が行っていたことが自動化され事務職社員は大幅に減りオフィスは限りなくコンパクトになってきます。
最後に「デジタル変革・実行力の獲得」、これはこれまでの3つのカテゴリについて実際に実現可能にする計画や取り組みをいいます。
さてここで、デジタルトランフォーメーションと一方で独自の成長を遂げているブロックチェーンの関係とは如何なるものになるのでしょうか?
包括的に言えば、ブロックチェーン技術はデジタルトランスフォーメーションの一部の分野であり、金融業や不動産業などに関してはデジタルトランスフォーメーションに組み込まざるを得ない取り組みになります。
大手4銀行は今後2年間で社員数を半減させるという人員計画を発表しました、この裏に有るのがデジタルトランスフォーメーションの実現であることに他なりません。
今後、現在ある多くの仕組みがデジタル化されています、その破壊力と新たな秩序の快進撃は企業を二極分化するでしょう。
つまり、デジタル社会に適応し生き残る企業と、古い体質のまま淘汰されていく企業とに別れることになります。
これは予測などではありません、すぐそこに迫っている未来における事実なのです。