2022年3月 2日 07:00
数年前からブロックチェーンを用いたサービスを展開するに辺り、弁護士と意見交換を継続的に行っています。
ブロックチェーン事業を推進するに辺り、取引の透明性や正当性において法的問題は優先的な課題となるからです。
各種のブロックチェーンサービスに関するビジネススキームを想定して、未来にどんな法的処置が必要になるのかをあらゆる方向から検討を繰り返し行っているのです。
そもそも、個人間での相対取引に関しての法律は直接的なものではなく、民法等を拡大解釈して間接的に用いるほかありません。
更には電子媒体を使ったサービスに関しては法整備が後手に回っています。
例えば物理的な商品券に関しては、「決算期末において、未販売残額が1000万円を超える場合は、金融庁に届け出すること」というくらいのものがあるだけです。
しかし、これを電子化した場合には適合しませんし、それに変わる法律もありません。
電子バウチャーは、そもそも紙媒体ではなくデジタル媒体であり物理的な媒体は存在しません。
これは、電子マネーと同様の仕組みだと考えれば容易に理解できると思います。
そして、購入する際には購入予約を行い金額を振り込んだ後で発行されウォレットに加算されます。
つまり、電子バウチャーは先の販売残額というのは常にゼロなのです、これが極めて重要なポイントです。
そして、私はこれを把握したうえで複数のビジネススキームをビジネスモデル特許として出願を行ったわけです。
また弁護士も、「どこを調べても法律そのものが無い以上は、事業として行えない根拠はどこにもない」という結論に達しています。
事業化前に法的根拠を調べつくし、更には複数の弁護士に確認したうえで具体的な事業計画を策定する、これはIT全盛時代には極めて重要なプロセスになります。
個人間取引サービスでのITでは、特許出願やサイトの基本設計含めて準備期間は数年にも及ぶでしょう。
更に、事業とする際には法律が無いから行えるということではなく、法律に準拠したビジネススキームを堂々と行う方が将来に不安無く行えるという思考が重要です。
したがって、先述したように事業化前に充分な意見交換と調査を行う必要があるのです。
また、充分な準備期間と事前の各種調査に必要不可欠な人脈の確保は必須です。
ブロックチェーンを使った個人間取引事業などの大規模ビジネススキームの実施は、アイデアだけではとても行えるものではありません。
また、この数年間という空白期間の維持コストは人件費や取引サイトの開発費だけをとっても多大なものとなります。
つまり、勝算が無ければとても手が出せないビジネスだということです。
数年間も利益ゼロの事業、これを興す為の法的問題や資金の確保などは簡単ではありません。
したがって、参入できる企業は極めて少なく一旦興せばブルーオーシャンビジネスを形成できるということです。
未来を予測して充分に各種の準備を行う、動き出したら事業推進に注力できる資金をまずは確保することができるかどうかがブロックチェーン事業の最大の障壁です。