2022年12月30日 07:00
現在キャッシュレスの最前線を行く国はアメリカでも中国でもありません、それは何とスウェーデンやエストニアなのです、北欧や東欧諸国は急速なるキャッシュレス化が進んでいます、日本人はもっと世界に広く目を向ける必要性を感じざるを得ません。
スウェーデンでは「スウィッシュ」というキャッシュレスシステムが大手6大銀行同時に実用化され、スマートウォンの電話番号(正確にはIPアドレス)と口座が連動し全ての決済がスマートウォン一台で行えます。
そこにはクレジットカードもローンカードも、更には電子マネーでさえ不要な世界が作り出されています。
スーパーマーケットやレストランは勿論のこと、パン屋や街頭の新聞売でさえも指定されている口座に金額を入力するだけで決済が完了するのです。
今ではどこのお店でも「現金支払いお断り」が当たり前のようになっているのです、キャッシュで支払うのは観光客とスマートフォンを持てない高齢者かホームレスだけです。
ストックホルムでは既に90%以上の店で「スウィッシュ」が導入されています、現金決済では売り上げ金の銀行への預け入れや釣り銭の用意、更には会計という煩わしさがありますが、「スウィッシュ」を導入すると全てが自動化され月次報告書をそのまま税理士に渡すだけで瞬時に月次決算が終了します。
この便利さが受けて今ではキャッシュでの決済はほとんど行われなくなったのです、そして起こった社会現象が「現金支払いお断り」のお店が増えたことです。
まさにスウェーデンの実情はキャッシュレスが齎す未来の縮図がそのまま見て取れます、ちなみにスウェーデンでは現金を常時持ち歩かない人が20%以上にも達しているといいます。
日本も数年後にはこういったキャッシュレス時代があっという間に訪れます、この時に本当の意味でITによるデジタル二極分化が大きくクローズアップしてきます。
デジタル文化に乗り遅れた人は本来齎される平穏な生活さえも脅かされることになります、これは決して脅しなどではありません、現実に起こってくる事実なのです。
来るべきデジタル全盛時代に乗り遅れないように、少なくても未来に起こるべき状況を今現在に学ぶことは決して意味の無いことではありません。
スウェーデンの現実問題としてデジタル文化についていけない高齢者は極めて厳しい生活状況になっています、それは「スウィッシュ」によって現金で購入する人がいなくなり現金商売している高齢者のお店は一気に売り上げが落ち込んでいます。
「スウィッシュ」を導入したくても理屈も操作も導入方法すら解らない、まさにこれは死活問題にもなっているのです、そしてこのITによる経済二極分化の救世主として誕生しようとしているのが、キャッシュと同様に扱う事ができる「eクローネ」という大手銀行が発行するローカライズド仮想通貨なのです。
何とも皮肉なことに、デジタルが齎す二極分化の極まる厳しい時代を救うのはまたしてもデジタルなのです。
キャッシュレスと仮想通貨、近未来に起こる状況をいち早く読んで、これを取り込んだ企業と個人だけがカオスの時代を生き伸びキャッシュレス黎明期を制し、全盛時代に繁栄することは間違いありません。
キャッシュレスが齎すもの、それは現存する全ての完成された仕組みの壊滅的な破壊と新しき価値観の創出なのです。
その破壊力はこれまで誰もが経験した事も無いほどの、まさに天地がひっくりかえるような大きなものになるということだけは理解していただければ幸いです。
銀行を始めとする現状の金融システム、物流・販売・消費活動、全ての仕組みが崩壊し新たな秩序が生まれる、それがデジタル全盛時代が齎す陰陽一体の怖さなのです。
日本では2023年度中に政府によるデジタル円発行の動きがあります、更には給与支払いをデジタルで行うことも進められています、今後数年で大きくキャッシュレス化が浸透して行くことになります。