野菜に含まれる最も大きな成分は「食物繊維」で水溶性と非水溶性の2種があり、水溶性は血液をさらさらにしてコレステロールを調整し、非水溶性はいわゆるファイバーで整腸作用があります。
今回は薬効成分が高い「ホウレンソウ」です、「ホウレンソウ」はアルメニア原産の越年生植物でアカザ科の植物です、秋から冬にかけての寒い時期にも出回るハクサイと並ぶ貴重価値のある葉野菜の代表格です。
江戸時代に中国から伝えられた品種と明治時代にヨーロッパから伝わった品種が日本には混在していますが、どちらも非常に栄養価の高い野菜です、茎が赤くなる品種はヨーロッパ産と覚えておくと良いでしょう。
主な成分はビタミンAの基となるベータ・カロチンをはじめとして、ビタミンB群、C、女性には重要なE、止血に効くKなどビタミンのオンパレードです。
更にはヨウ酸は貧血症の特効薬です、他にはミネラルがまた豊富で列記したら切が無いのですが鉄、マンガン、リン、ヨード、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムなどは特に多く含まれています。
これらのミネラルの薬効としては造血や新陳代謝を促すなどまさに薬要らずの万能野菜です、更にはリジン、トリプトファン、シスチンなどDNAや細胞を構成するアミノ酸が豊富に含まれておりビタミンやミネラルなどと総合して若返りの薬ともなるのです。
ホウレンソウの効果的な食べ方は水に溶け出してしまう成分もあるので、さっと火を通したおしたしや溶け出した成分を全部摂取できるスープが最適です、また新鮮な有機栽培のものであればサラダやジュースなどで生で食べるのもとてもよいです。
気をつける点としては鉄やマグネシウムが豊富に含んでいるので、バランスよく食べないと身体を冷やすだけでなく腎臓や尿管に結石しやすいので注意が必要です。
日ごろから水分を多く取るような人は問題無いのですが、尿が濃くなると特に結石しやすいので一度に多量摂取は禁物です、何事も過ぎるのはよくありません。
那須高原で採れた新鮮な天然山ウドを入手しましたので、冬に溜まった毒素を天然ウドの薬効成分で「山菜デトックス」することにしました。
東京名物の洞穴で作る食べやすいシロウドは陽を当てないようにして育てられています、したがって癖も無く食べやすい分栄養素に欠けてしまいます。
対して天然の山ウドは豊富な栄養素を含んでいます、その中にはデトックスに利く微量栄養素(フィトケミカル)も含まれています。
信州や群馬県では山の斜面に直植えさせて栽培します、したがって白くなく木のような色をしており味も癖も非常に強くなります。
この天然の山ウドを自家製味噌で作った甘酢味噌でいただきます。
自家製味噌
皮と先の部分は細く刻んでキンピラにします、山ウドのキンピラを作る目的で、皮は分厚めに剥くのがコツです。
ご飯にもお酒のおつまみにも最高です!
野菜に含まれる最も大きな成分は「食物繊維」で水溶性と非水溶性の2種があり、水溶性は血液をさらさらにしてコレステロールを調整し、非水溶性はいわゆるファイバーで整腸作用があります。
今回は年中豊富に出回っている薬効成分も高い「ニンジン」です、「ニンジン」はセリ科越年生植物で地中海沿岸が原産地です。
日本には江戸時代に渡来し、当時は今のように根の部分が大きくなく根と言うより葉も含めた全体を食されていました。
主な成分は根の部分では「カロチン」、これは身体の中でビタミンAに変わる栄養素で人間には必須成分の一つです、特にベータ・カロチンは活性酸素を除去し万病の薬として世界中で注目され研究されています。
癌予防に効果があるので毎日ジュースにして飲むと効果が期待できます、朝食時にリンゴとニンジンをジュースにしてコップ一杯を飲むことで身体が目覚め脳も糖分が回ってリフレッシュします。
このとき可能であれば葉の付いた物を使用して葉も全部ジュースにして飲むと更に効果が上がります、葉にはベータ・カロチンに加えてイオウやリン、カリウムなどのミネラルが豊富で葉まで1本食べれば一日の必要量をまかなえてしまいます。
日本では戦後葉が付いた物を入手しずらいのですが、海外に行くと葉が付いているのが当たり前のように売られています、ニンジンの葉は想像する以上に長くて立派で根の部分よりも栄養素が豊富に含まれているのです。
韓国ではニンジンの葉と海鮮物を入れたチヂミが食されています、ニンジンの葉は意外にも火を通すと甘くて美味しいので驚くと思います。
ノゲシはキク科タンポポ亜科ノゲシ属に属する越年生の植物で、西洋タンポポと同様にヨーロッパ原産で中国から持ち込まれた帰化植物です。
それにしても、改めてあちこちを散策してみて驚くことにタンポポ同様に何処に行っても自生しています。
タンポポ亜科だけあって幼苗はタンポポそっくりで、おそらく慣れていないとタンポポだと思うに違いありません。
ノゲシの幼苗、まるでタンポポ
ノゲシはタンポポの親戚だけあって生命力も凄く、コンクリートの割れ目にさえしっかりと息ついています
ノゲシはタンポポ同様に根から花まで全て食べられます、中国古書には漢方薬として用いられているようですがタンポポほどの効能はありません、根もそれほど成長しません。
試食してみましたが味はタンポポのような苦みがほとんど無く、ホウレンソウか菜の花のような食感と味です、逆に癖になるほどかなり美味しいです。
また成長すると葉を付けた径を伸ばします、ここまで成長すると流石にタンポポと違う植物だと解ります。
50cm~1mほど径を伸ばした後はタンポポそっくりの黄色い花を一本の茎から枝分かれさせ多数咲かせます、そして同じく種は羽毛状になりタンポポ同様に風に乗せて種を飛ばす「風媒花」です。
ノゲシが成長し花を付けたところ、花の形もタンポポそっくり
6年前から食べられる野草を研究していますが、まずは食べてみないことには始まりません。
ということで毎年春先から休みの日には野草を摘みに神社や自然公園に出かけています、過去採取してきた食べられる野草の一部を紹介いたします。
カタバミとヘビイチゴ
ヘビイチゴは生ではとても不味くて食べられないとの情報からピクルスにしてみました
カタバミはほどよい酸味があってヨーロッパの多くの国ではジャムにして食べます
オニタビラコとハルノノゲシ
共にタンポポの仲間で卵とじなどで食すと最高に美味しいです
スイバ、ハハコグサ、タンポポ
スイバは生でサラダにしても美味しい
ハハコグサとタンポポは湯通しすればどんな料理にも使えます
カタバミ、ハルノノゲシ、不明な野草類
食べられそうでもよく解らない野草類はしっかり調べてから食しましょう
これらの食べられる野草類は先ずはしっかり調べて食べられるものか確認してから、生食や湯引きで食べて味を確認していきます。
野草類には苦みや渋みなどのアルカロイド(アルカリ性のフィトケミカル類)が含まれていることがあるので、しっかりと事前に毒素を抜く処置を行ってから食することが肝要です、アルカロイドは食べすぎると下痢や嘔吐を引き起こします。
これらの野草の栄養分や身体への効能、またどのように調理すれば美味しく食べられるのか、そんな研究を継続的に行っており研究成果を徐々に出して行きますのでお楽しみに。