野菜に含まれる最も大きな成分は「食物繊維」で水溶性と非水溶性の2種があり、水溶性は血液をさらさらにしてコレステロールを調整し、非水溶性はいわゆるファイバーで整腸作用があります。
今回は特に秋口から冬場には豊富に食べてほしい「ネギ」です、「ネギ」は記録が無いほど大古の時代から大陸より日本に伝来した古くから食されていた野菜でユリ科の多年生植物です。
その独特な味と匂いから「気を高める」、「毒気を払う」などと評され食され続けてきました、煮てよし、焼いてよし、生でよしと、ソバやうどんなどの薬味や出汁として使われてきたことを考えるとこれほど多彩に使われる野菜も少ないでしょう。
「ネギ」は近縁種であるニンニク、タマネギ、ニラなどのアリウム系野菜と同様に豊富な「アリイン」が含まれています。
「アリイン」はアリウム系野菜共通の成分で同時に「アリナーゼ」という成分を含みます、「アリナーゼ」は「アリイン」と混ざると「アリシン」に変り鼻を刺すような強烈な匂いと刺激的な辛味を発します。
「アリシン」の主な薬効としては解熱、消炎、虫下しなどで、昔から家庭療法として風邪の予防や治療薬として多用されてきました、冬には体温を上げウイルスなどの抵抗力を増し更に滋養強壮薬として優れた薬効成分を持っているのです。
「ネギ」の青い部分には、ビタミンB2、C、ベータカロチンなどのビタミン類と、リン、マンガンといった特に冬場に健康な身体を維持するのに必要なミネラルが豊富に含まれています、是非青い部分も捨てずに鍋や味噌汁など汁ごと食べられる料理に使っていただきたいと思います。
多くの野菜に共通しているビタミンやミネラルは水溶性ということ、つまり汁のほうに殆どが溶け出してしまうのです、したがって具だけ食べるのは栄養を搾り取ったカス(食物繊維)を食べているようなものです。
鍋の後に麺やご飯を入れて全て食する文化が広がったのは、溶け出した栄養を全て採るということからなのです。
ノゲシはキク科タンポポ亜科ノゲシ属に属する越年生の植物で、西洋タンポポと同様にヨーロッパ原産で中国から持ち込まれた帰化植物です。
それにしても、改めてあちこちを散策してみて驚くことにタンポポ同様に何処に行っても自生しています。
タンポポ亜科だけあって幼苗はタンポポそっくりで、おそらく慣れていないとタンポポだと思うに違いありません。
ノゲシの幼苗、まるでタンポポ
ノゲシはタンポポの親戚だけあって生命力も凄く、コンクリートの割れ目にさえしっかりと息ついています
ノゲシはタンポポ同様に根から花まで全て食べられます、中国古書には漢方薬として用いられているようですがタンポポほどの効能はありません、根もそれほど成長しません。
試食してみましたが味はタンポポのような苦みがほとんど無く、ホウレンソウか菜の花のような食感と味です、逆に癖になるほどかなり美味しいです。
また成長すると葉を付けた径を伸ばします、ここまで成長すると流石にタンポポと違う植物だと解ります。
50cm~1mほど径を伸ばした後はタンポポそっくりの黄色い花を一本の茎から枝分かれさせ多数咲かせます、そして同じく種は羽毛状になりタンポポ同様に風に乗せて種を飛ばす「風媒花」です。
ノゲシが成長し花を付けたところ、花の形もタンポポそっくり
野菜に含まれる最も大きな成分は「食物繊維」で水溶性と非水溶性の2種があり、水溶性は血液をさらさらにしてコレステロールを調整し、非水溶性はいわゆるファイバーで整腸作用があります。
今回はこの「食物繊維」を豊富に含む代表格である「ゴボウ」についてお話しします、「ゴボウ」はキク科の越年生植物でアジアを中心とした亜熱帯地域全域に生息する植物です。
中国では元々は薬草として用いられ日本でもかなり前から薬草として食されていました、食用に改良され食されるようになったのは平安時代以降と記されています。
「ゴボウ」の主成分は炭水化物ですが特に「セルロース」や「リグニン」といった「食物繊維」は、腸の働きを良くし他の食物の消化吸収を助け便秘防止には必須栄養素として知られています。
またコレステロールや糖分などの余剰成分を繊維に絡めて排泄できるため、成人病予防の万能薬として昔から用いられてきました、「リグニン」は近年癌予防に効果があることも解ってきています。
もう一つの大きな成分としては「アルギニン」が豊富に含まれていることです、「アルギニン」は滋養強壮の生薬には必須の成分で昔からサプリメントとしても欠かせない主成分であり、男性には特に効果があるようです。
また独特の渋みは「タンニン」が含まれているからで、この「タンニン」はアレルギー性の消炎効果があります。
最近では韓国ではゴボウ茶が良く飲まれています、この効果は咳止やアレルギー性の消炎効果を期待されてのことです、私も韓国へ行くと必ずお土産に買ってきてはスタッフと飲んでいます。
消炎効果としてはフランスでは古くからアレルギーの鎮静剤として用いられているほどです、タンニンは水溶性ですのでアレルギーの生薬として用いるときはお茶として飲む以外には、汁をそのまま食すことができる味噌汁や鍋などのスープとして飲める調理方法がよいでしょう。
野菜に含まれる最も大きな成分は「食物繊維」で水溶性と非水溶性の2種があり、水溶性は血液をさらさらにしてコレステロールを調整し、非水溶性はいわゆるファイバーで整腸作用があります。
野菜の第一弾として、医学の父と謳われたヒポクラテスも「医者要らず」と豪語した「キャベツ」について話しましょう。
「キャベツ」は地中海沿岸が原産のアブラナ科でケールが球状に奇形したものを固定化され今のキャベツが生まれました、古代ギリシャ時代から栽培され当時は薬草として主に食されていました、現在の「キャベツ」は近代になり更に品種改良されたもので柔らかく甘いのが特徴です。
キャベツは主に成長する過程の若芽を食しています、しかし本当に薬効成分が豊富になるのは花経が伸びて花を咲かす手前の頃です、胃腸薬の「キャベジン」は「キャベツ」からきていることはご存知のとおりで胃の粘膜を強化する他の野菜には見られないビタミン類が豊富に含まれています。
その他の成分も野菜の中ではトップクラスで、ビタミンA、B群、C、K、更にミネラルは鉄、カルシウム、ナトリウム、塩素と豊富です。
特筆するミネラルはイオウとヨウ素で胃腸薬には欠かせない成分です、これらのビタミン類やミネラルは総合的な作用としてアンチエイジングや整腸だけでなく癌の予防などにも効果があります。
特に近年になりキャベツから「インドール化合物」が検出され、これが乳癌や大腸癌などの癌細胞を分解する働きがあることが判りました。
このように生薬ともいえる「キャベツ」は生でも加熱しても栄養素はほぼ変わることはなく毎日取りたい野菜です、事実ヨーロッパではどの国でも肉と一緒に煮込んで毎日のように食されています。
もっとも手軽な日本料理は味噌汁や鍋です、水溶性のビタミン類やミネラルも全て捨てることなく食することができる合理的なスープです、味噌の酵素によって消化吸収も助けます。
また大豆との栄養バランスが非常によく心身に必要な微量成分の殆どを取ることができます、「キャベツ」の味噌汁は二日酔いや夏バテにも効果があり年間を通して元気一杯になります。
6年前から食べられる野草を研究していますが、まずは食べてみないことには始まりません。
ということで毎年春先から休みの日には野草を摘みに神社や自然公園に出かけています、過去採取してきた食べられる野草の一部を紹介いたします。
カタバミとヘビイチゴ
ヘビイチゴは生ではとても不味くて食べられないとの情報からピクルスにしてみました
カタバミはほどよい酸味があってヨーロッパの多くの国ではジャムにして食べます
オニタビラコとハルノノゲシ
共にタンポポの仲間で卵とじなどで食すと最高に美味しいです
スイバ、ハハコグサ、タンポポ
スイバは生でサラダにしても美味しい
ハハコグサとタンポポは湯通しすればどんな料理にも使えます
カタバミ、ハルノノゲシ、不明な野草類
食べられそうでもよく解らない野草類はしっかり調べてから食しましょう
これらの食べられる野草類は先ずはしっかり調べて食べられるものか確認してから、生食や湯引きで食べて味を確認していきます。
野草類には苦みや渋みなどのアルカロイド(アルカリ性のフィトケミカル類)が含まれていることがあるので、しっかりと事前に毒素を抜く処置を行ってから食することが肝要です、アルカロイドは食べすぎると下痢や嘔吐を引き起こします。
これらの野草の栄養分や身体への効能、またどのように調理すれば美味しく食べられるのか、そんな研究を継続的に行っており研究成果を徐々に出して行きますのでお楽しみに。