2025年1月17日 07:00
土壌を豊かにする好気性バクテリアは2種類の属性に分けられます、一つは分解合成菌類でもう一つは醗酵合成菌類です、これらの性質を理解するとどの時期に何をすべきかが明確に理解することができます、このように既に農業は習慣に頼る時代から科学の時代に移行しているのです。
分解合成菌類は春から秋にかけて割と温度の高い時期に活動し土壌の有機物を分解して窒素や他の栄養素を作り出します、対して醗酵合成菌類は冬の寒い時期に活動し土壌の有機物を醗酵によって窒素や他の栄養素を作り出します。
つまり、冬の時期に畑をそのままにしておくと春に種を撒くころには分解合成菌が活動しておらず栄養素が不足するために肥糧を与えなくてはならない状態になります、そこで冬前に醗酵合成菌類の餌となる有機物を土壌に仕込んでおかなくてはならないのです。
餌となる有機物とは野菜の屑や雑草など所謂緑肥と呼ばれる植物類です、他に卵の殻やフルーツの皮などはミネラル分を多く含みますので土壌を豊かにするには持って来いの緑肥となります、その点で言うと自然農は雑草や収穫しないで放置した野菜をそのままにしますので冬季に自然に醗酵分解され土中の窒素成分を増やしてくれるので施肥の必要が無いのです。
また冬が来る前に土壌にこういった緑肥を混ぜ込んでおくことで物理的な団粒構造も得ることが出来ます、何もしないでおくと春先に耕起し肥料を撒かないと野菜が育たない土壌になってしまいます、人間が休んでいる間にも土壌中の菌類は土壌を豊かにするために働いているのです、「土は人間ではなく菌類によって作られている」のです。
尚、これは畑だけではなくプランターも同様です、野菜の収穫が終わったらプランターの土を掘り起こして野菜屑や枯葉を混ぜ込んでおきましょう、春には肥糧を使わなくても野菜が育つ土が出来上がっているでしょう。