2023年8月 3日 08:00
イタリアの経済学者パレートは、自分の経験則から「パレートの法則」を著書によって打ち出しました。
「パレートの法則」とは、簡単に言うと「多数は少数の要因によって決定される」という理論です。
その後、世界中の経済人がこの「パレートの法則」を引用し、具体的な数字をあげて改良版を打ち出しました。
例えば「組織で役に立つ人は20%、全く役に立たない人も20%、残りの60%は役に立つ20%の人の補佐役」、「売り上げに占める商品のうち20%の商品が全利益の80%を占める」などです。
しかし「パレートの法則」では、それらの具体的な数字の根拠を示しているわけではありません、あくまでも「自然界の傾向と実際の経済の傾向が見事に一致している」という観測結果のみを示しているのです。
つまり、これらの数字には全く法則どころか科学的な根拠が見当たりません。
しかし、これを読む人はそれぞれに拡大解釈してまるで自論のように応用していくのです、人間というものが如何に自己都合を欲しているかが解ります。
物事を自分の都合のよいように偏見によって作り上げ、そしてそれを支持されることによって市民権を得るのです。
支持者はそれが根拠の無いものであろうが自分に心地よいものであれば取り入れ、そして法則や数字に翻弄されていくのです。
このような展開は科学においても然りです、現在常識化している科学の解明は全てが先人達の功績を継承された結果なのです。
そして検証されていくにつれ提唱者である天才が突如として脚光を浴びます、アインシュタインも実はこの一人なのです。
もしも未来において、解明・検証されなければどんなに正確で根拠のあるすごい発見であってもその提唱者の名前さえ歴史に刻まれることはありません。
さて、ここで「本物」とは何故「本物」と謳われるのでしょうか?
それは類似品が出てこなければ、あえて「本物」と差別化する必要がないということが前提にあります。
つまりは、類似品が出るという事自体がそれが「本物」であるという評価に繋がるのです。
賢い経営者は自社商品の類似品が出ると、「やっと評価された!」と手放しで喜びます、そして類似品が世に溢れるとき本物が本物として評価される瞬間なのです。
そこで私の自論、「自己の利益は他者の利益に染み込ませろ!」、つまり他者に先に利益を取らせること、これが堅実なる賢い「本物志向」のビジネス手法なのです。