2022年11月14日 08:00
2014年7月、かつてはオーディオの名門中の名門であった山水電気(ブランド名SANSUI)が民事再生を申請し破綻しました。
東証1部でありながら中小企業並みの2億ちょっとの負債でした、逆に言えば債務額から勘案するに債権債務を整理しても金融機関などから見放さていたと考えられます。
バブル崩壊直後から転々と経営支援企業の傘下に入っていましたが、支援企業が次々と破綻し自力再興を試みるが結局は力尽きてしまいました。
70年代にはスピーカの名門中の名門であるJBLの日本総販売代理権を持ち、JBLとの共同商品も出していたほどジャズファンに強く支持されていた一流オーディオブランドです。
バブル崩壊と共に終焉したオーディオブーム、その後はPCモニター等のPC周辺機器に事業をシフトしましたが、その頃はPC各社が価格競争を繰り広げるレッドオーシャンが始まる黎明期であり当然のことPC業界でブランドを確立するまでには至りませんでした。
実は山水電気は私が最初に株式投資した会社の一つでした、理由は当時私は大のオーディオファンでそのブランドと独特の音作りに惚れていたからです。
山水電気がピュアオーディオ部門から撤退したとき株価は30%にまで落ちていましたが損切り覚悟で全て売却しました、オーディオの名門企業がピュアオーディオ部門から撤退とは大きな時代の流れを感じた瞬間でもありました。
どんなにその世界で一流ブランドを確立した企業でも時代の流れに乗れなければ一気に衰退してしまうのです、それがビジネスというシビアな世界の実態なのです。
昨今の生活様式の大革命を余儀なくされた社会事情ですが、どのようにこれを受け入れ対応していくのか、ここに経営者としての経営能力の質を問われることになるのは間違いありません。