2022年10月 5日 08:00
忘れたころに連絡してくる20年来の後輩がいます、彼は頭がよく何でもすぐ理解しほとんどの業務を器用にこなし人当たりも良く誰からも好かれます。
会議では積極的に意見を述べそれが実に理にかなっているのです、ただ彼には大きな欠点があるのです、それは今まで一度も成功したことがないというものです。
信じられないことですが、これほどの能力と器用さがあるのにやり始めた事業はいつの間にか崩壊します。
いったいこれは何故でしょうか?
私が思うに彼は「他者の心の中を見ていない」からだと思うのです、確かに上下関係を意識して敬語なども使いこなし相手を気遣っているように見えます。
しかし私から言わせれば表面的なところを見ているだけなのです、その人の本質を理解して心を通わせる会話が全くできないのです。
誰と話しても同じような話し方で同じことをくどくどと話します、また自分の考えや意見が先行します。
いつの間にか「良い人なんだけど、それだけで利益にならない人」というレッテルを貼られてしまっているのです、だから自分では気がつかないうちに相手の人がフォードアウトしていくのです。
「何かを間違えている」、そんな思いでいつも彼と接しています。
ビジネスセンスは能力でも知識の豊富さでも人脈の多さでもありません、相手は生身の人間だということを忘れている人が多くなったと感じる昨今です。