2022年9月 1日 08:00
インターネットの急速な発展によって、自分の部屋に居ながら世界各地を回り月や宇宙旅行まで楽しむことができるようになりました。
しかし、これらはあくまでもコンピュータグラフィックスによって人工的に作り出されたものであり、当然のことですが現実の世界ではありません。
あまりにも非現実感だと誰しも作り物だと理解できます、したがって冷静にバーチャルの世界を楽しむことができます。
しかし例えば現実社会に近いTVドラマや小説などは、コンピュータによるリアルな映像こそないものの主人公の気持ちが理解できたりその人の目線で展開を見てしまうことがあります。
一過性のこのような状況を自分の中に作り出すことで、泣いたり笑ったりと嫌な現実から一種の逃避をバーチャルという世界で行うことができます。
またこれによって精神のバランスを保つことも可能となります、したがってバーチャルの世界は上手く活用することでストレスの解消や心のバランスを保つための有効なる手段と言うことができます。
しかし物事には良いところもあれば悪いところも必ずあるのです、怖いことに「自己陶酔」しやすい人にとってはバーチャルは一種のリアルと同様の記憶や意識をしてしまうそうです。
例えばゴルフの本を読んだりゴルフゲームをすることによって、ゴルフをやったこともないのにゴルフは簡単なもので自分が凄く上手いと本当に思い込んでしまう人もいます。
経営指南書を読んだり経営シュミレーションゲームを行うことで、自分が経営もしたこともないのに起業すれば簡単に利益を上げて名実共に一流の実業家になれると思い込んでしまう人もいます。
ここで問います、バーチャルとリアルの根本的な違いは何でしょうか?
その答えはバーチャルは「人間関係」を一切考えない世界であるということです、自分が主人公でその他の役者も自分自身ですから自分の思うように動きます、自分以外はそこには存在していません。
しかし現実はそれぞれの人生の主人公との係わり合い、つまり「人間関係」という現実があります。
家族も友人も社員も取引先も全てがそれぞれの人生での主人公です、あなたがあなたの人生の主人公であるようにです、したがってバーチャルの世界のように自分の意図するように行くはずもないのです。
現実の世界を無視した自分の都合や思い込みによる起業、そして経営など極めて危険だと思います。
何故ならリアルの世界では先述のように主人公はあなただけではありません、全ての人が自身が主人公となってそれぞれの人生設計によって生きているのです。
下手をすればあなたと関わった人たちが、あなたの一過性の思いつきの犠牲者となる可能性があることを考えなくてはなりません。
夢は起床すれば覚めます、でも覚めない夢とはもしかしてとてつもなく危険な「思い込み」という催眠であるのかもしれません。