2022年8月13日 08:00
だいぶ前の話しですが大きなショックを受けた出来事がありました、公私共に親しくしていたビジネスの先輩に10年ぶりにばったり再会したのです。
その先輩は「しばらく忙しくなる」ということで飲みに行くこともなく互いの時間を過ごしていました、そんな先輩のことを最近妙に思い出して連絡でも取ってみようかと思っていた矢先のことでした。
何時もの交差点で信号待ちしていたときに反対側の道路を横切るようにその先輩が歩いていたのです、信号が変わるや否や追いかけるように呼び止めました。
ところが一瞬こちらを見てまた歩き出すのです、私は人違いなのかと再度名前を呼びました、そうしたらちょっと顔を向け浅く頭を下げそのまま小走りに行ってしまったのです。
なにか怒らせるようなことをしてしまったのかとその日以来しばらく考えこんでしまいました、そんなことがあって約1ヵ月後に時々寄る小料理屋で呑んでいたときです、その先輩の話題がどこからとなく出てきました、かなり深刻な状況のようです。
この話を聞いたとき1ヶ月前の光景が蘇り状況を理解するに至りました、そして胸がキリキリと痛くなるような思いに言葉も詰まりました。
「どんなことがあろうが人間逃げたら終わりだよ、思考を凝らして危機を乗り越えるのが経営者の責任だ」、というのがその先輩の教えでした。
その先輩があろうことか自身がその行動をとったのです、私も経営危機は何度も体験しています、でもその先輩の言葉を思い出し決して逃げることなく銀行や債権者に何度も相談に回り解決してきたのです。
それだけにショックが大きかったのです、人生いろいろなことが起きます辛いことも楽しいことも全部含めての人生だと思うのです。
どんなことがあっても逃げるということは、自身の人生に対して責任放棄したということになると思うのです。
本当に責任を感じている人であれば、最悪の状況になる前に各所に相談するなり幾らでも打つ手はあったはずです。
いろいろなことを教えてもらった尊敬してきた先輩でした、でも最後の最後にものすごく裏切られた気持ちでいっぱいです。
でもやはり先輩には感謝しています、「何があっても、逃げたら終わり」、これを身をもって再度教えてくれたのですから。