2022年7月 4日 08:00
「成功したければ何度も穴に落ちろ」とよく門下生に言います、しかし穴に落ちる意味までは詳しく話したことはありません、それは落ちて自分が気付くことが最も肝要だからです。
さて、「穴に落ちる」とはどのような状況を言うのでしょうか?
それは、自分が良かれと考えた行動の結果において取り返しのつかないほどの大きな失敗や過ちを指します。
それをどうして何度も経験することが重要だと言うのでしょうか?
一つには「自己責任を痛感しろ」ということです、若いうちは特に他者の話を聞きません、自分の狭い範囲で考えたことが全てであり正しいと思い込んでいます。
それが世間には通用しないことを身を持って経験することで、一つまた一つ成長していきます、つまり失敗による学習効果です。
口頭で教えても人間とは合理的な動物ですから学習しません、ですから自己責任において自由にやらせてみるのです。
もう一つ、落ちて初めて気付くことを身をもって体験できるということです、落ちたときの気付きは落ちた人でなければ得られません、つまりは自ら経験を通して身につけることが肝要です。
私は大きな穴に落ちて多くの穴の底に眠る財宝を発見しました、また横穴もよく見れば沢山あることに気がつきました。
これらは決して地上にいるうちは発見できません、落ちて初めて発見できる宝物です。
多くの人は体裁や保身からなのか、せっかく穴に落ちる状況が揃っているにもかかわらずなかなか落ちません、仕方がないから背中を押して落としてあげるのですが今度は穴の際にしがみついて這い上がってきてしまいます。
穴の中で学べるものは生きるための知恵そのものです、非常に多くの生きた経験と知恵が一瞬で結びつきます。
多くの本を読んでも駄目、他者の言葉を幾ら聞いても駄目、それを経験しなければ意味の無い知識です、知識と知恵は全然違うのです。
本を読んでゴルフが上手くなりますか?
本を読んで自転車に乗れますか?
何事も本で読むのとやってみるのとは雲泥の差があるのです、一度でもやってみればすぐ解ることです。
例えば塩、この味をどんなに本で学んでも知ることはできません、しかし舐めてみれば1秒で解ります、これが自ら経験して知恵を獲得するということです。