2024年9月 9日 11:00
野菜に含まれる最も大きな成分は「食物繊維」で、水溶性と非水溶性の2種があり、水溶性は血液をさらさらにしてコレステロールを調整し、非水溶性はいわゆるファイバーで整腸作用があります。
今回は、特に秋口から冬場には豊富に食べてほしい「ネギ」です。
「ネギ」は、記録が無いほど大古の時代から大陸より日本に伝来した古くから食されていた野菜で、ユリ科の多年草植物である。
その独特な味と匂いから、「気を高める」、「毒気を払う」などと評され食され続けてきました。
煮てよし、焼いてよし、生でよしと、ソバやうどんなどの薬味や出汁として使われてきたことを考えると、これほど多彩に使われる野菜も少ないでしょう。
「ネギ」は、近縁種であるニンニク、タマネギ、ニラなどのアリウム系野菜と同様に豊富な「アリイン」が含まれています。
「アリイン」はアリウム系野菜共通の成分で、同時に「アリナーゼ」という成分を含みます。
この「アリナーゼ」は「アリイン」と混ざると「アリシン」に変り、鼻を刺すような強烈な匂いと刺激的な辛味を発します。
「アリシン」の主な薬効としては、解熱、消炎、虫下しなどで、昔から家庭療法として風邪の予防や治療薬として多用されてきました。
冬には、体温を上げウイルスなどの抵抗力を増し、更に滋養強壮薬として優れた薬効成分を持っているのです。
「ネギ」の青い部分には、ビタミンB2、C、ベータカロチンなどのビタミン類と、リン、マンガンといった、これも特に冬場に健康な身体を維持するのに必要なミネラルが豊富に含まれています。
是非、青い部分も捨てずに、鍋や味噌汁など汁ごと食べられる料理に使っていただきたいと思います。
多くの野菜に共通しているビタミンやミネラルは水溶性ということ、つまり汁のほうに殆どが溶け出してしまうのです。
したがって、具だけ食べるのは栄養を搾り取ったカス(食物繊維)を食べているようなものです。
鍋の後に、麺やご飯を入れて全て食する文化が広がったのは、溶け出した栄養を全て採るということからなのです。
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