ホームシアターで使うサブウーハーですが、買う度に何かしっくりした音が得られず数年単位で入れ替えていた時期があります。
この、デノンDSW-7L(2003年発売、7万円)に出会ってから、この重低音との15年にも渡る長かった戦いの日々が終焉します。
デノン DSW-7L
バックパネルはこんな感じ
ユニットは後ろと底面に1個ずつ使っている
「部屋の床に重低音が染み込む」、そんなドロっとした独特の鳴り方をするサブウーハーです。
JBLやフォステクスのサブウーハーのように直接的に重低音を押し出すのではなく、間接照明のように重低音をサブウーハーそのものの存在感を消すように鳴り聴かせます。
まさにサブウーハーの忍者です。
カットオフ周波数は30Hzから200Hzまで連続可変ができるので、合わせるフロントスピーカーとの相性で低音域を上手く補完できます。
更に置く場所によって位相逆転での低音キャンセルを防止する位相反転機能など、サブウーハーに求められる全ての機能を装備しています。
価格に見合うスペックと音質、買った人に不満は一切出ないでしょう。
また、重低音を垂れ流すような鳴り方なので部屋のどこに置いても効果を発揮できます。
13Cm口径という小さなユニットを2個使っていますが、何故こんな小さなユニットから25Hz以下という耳に聞こえない領域の重低音を出せるのでしょうか?
また、最大入力も200Wと申し分ありません。
JBLやフォステクスの大口径ユニットを使ってのストレートに低音をぶつけてくるタイプや、ヤマハやオンキョーのバスレフダクトによって低音をぶつけてくるタイプなども使ってみましたが、直接的な重低音はどうも耳について苦手なようです。
このDSW-7Lの間接重低音は、私的にはリラックスして映画鑑賞に集中できるので肌に合っているのでしょう。
また、ぶ厚い生木材を曲げて作ったフカヒレのようなデザインも実に見事です。
この形状が流動力学で2つのユニットの内部干渉を見事に抑えながら、ハーモニックス効果によって芳醇な重低音を醸し出しているのです。
聴き込むのではなく、音と遊ぶためのサブウーハーが在っても良い。
小型サイズのヤマハYST-FSW050(2018年発売、2.3万円)は、そんな使い方ができる戯れ大好きマニア向け万能サブウーハーなのです。
ヤマハ YST-FSW050
オーディオ道楽復活直後、発売されたばかりのヤマハYST-FSW050を見つけるや否や「待ってました!」とばかりに2本購入しました。
その理由は、ホームシアターのフロントに以前から考えていた、中型ブックシェルフの低域補正をして「疑似マルチアンプ方式」を実験してみたかったからなのです。
サイズも小型で横置き縦置きができ、工夫次第ではいろいろな実験ができると考えての事です。
こういったサブウーハーを以前から欲しかったのですが、なかなか手頃なサイズでフロント放出型は意外と無いのです。
ストレートに重低音域を前面に押し出すタイプなので、ホームシアターでの使用もいいのですが、どちらかというと小型ブックシェルフの重低音域の補正に使った方がしっくりくる音質です。
JBLのモニタースピーカーと合わせて疑似マルチアンプ方式を実験中
まずは、疑似マルチアンプ方式では、AVアンプのフロントプリアウトに直結し、5.3Chサラウンドの実験をしました。
これは、メインサブウーハーと合わせたトリプルサブウーハーでの相乗効果での重低音の爆音が本当にもの凄かったです。
部屋中のあらゆるところが重低音共鳴を起こしてビリビリという振動音を発し、正直ヤバイと音量を下げたほどです。
こんな経験は初めてです、部屋中の物が振動するなんて・・・
大きな部屋が用意できれば、この5.3Ch方式は絶大な効果を発揮すると思います。
それから、PCオーディオの低音補正もビックリするほどの効果が出ました。
縦に使ってPCオーディオに合わせる
小型スピーカーとの結合テストでは、中高音域だけのようなスピーカーがメインで使える大型スピーカーの音に変身しました。
テレビの低音補正ではアナウンサーの声などに微妙な遅延による天然エコーがかかり、思わぬ疑似サラウンド効果が出ることも解りました。
何事も経験ありきです、まずはいろいろ実体験することです。
そういった意味では、このサブウーハーはどんな使い方でも最高に愉しませてくれます!