イネーブルドスピーカーの実力の程は?~デノン SC-EN10M
2024年5月21日 08:00
最新のサラウンド方式であるドルビー・アトモスやDTS:X方式での立体3Dサラウンドを手軽に実現できるのがイネーブルドスピーカーという存在です。
デノンSC-EN10M(2016年発売、セットで3万円)は幅11Cm、奥行き13Cm、高さ15Cmの小さなスピーカーでユニットは8Cmフルレンジながら、密閉式で100Hzまで低域を伸ばし最大許容入力80Wという強力なスペックを持ちます。
デノン SC-EN10M
しかし、こんな小さなスピーカーで何故こんなにも高いのだろう?
結構良い音で鳴るサラウンドスピーカーにも使えるエントリークラスのJBL小型ブックシェルフでさえも2万円で買える時代なのに。
恐らくですが、買う人は限られており生産台数が極端に低いのではないかと想像します。
ドルビーサラウンドの最新のドルビーアトモスでは、フロントスピーカーの上面から音を出すフロントハイというチャンネルがあります。
このチャンネルによって、5.1Chでは平面だったサラウンドが3次元のサラウンドに変わります。
したがって、ドルビーアトモス対応のAVアンプは最低でも7.1Ch以上のチャンネル数となります。
フロントハイでは天井にスピーカーを設置しなければならないのですが、このイネーブルドスピーカーSC-EN10Mは天井にスピーカーを設置しなくてもフロントスピーカーの上に乗せるだけでフロントハイと同じ効果が得られるという代物です。
デノンSC-EN10M等のイネーブルドスピーカーのユニット面は斜め上を向いています、この角度によって音が天井に反射してフロントハイと同じ効果を得られるように考え出されているのです。
音の反射で上空から音を響かせるのですから、フロントスピーカー以上の強力に押し出す中高音域が必要とします。
デノンSC-EN10Mを単独で音質を確認すると、流石に中高音域の伸びと張り出しは凄いです。
特にピアノソロやサックスなどは、この小さなスピーカーからは想像もできない快音で鳴り響かせます。
サブウーハーと合わせるとコンパクトなハイファイオーディオ用として立派に機能する音色を奏でます。
アコースティック系楽器の高音域も余韻も見事なので、低音域を補正するパッシブウーハーをバイワイヤリングなどで繋ぎ、横置きにしてユニットの向きを前方向にすれば結構単独でも使う工夫ができそうです。
現在、一旦は7.1Chにしたのですが、5.1Chでの壁反射による方が部屋の大きさを考えるとリアル感が出る事が解り再度5.1Chに戻しています。
したがって、今のところは出番が無いのですが、いずれは広い部屋を用意して9.1Chとか11.1Chなどにチャレンジする際には是非活用してみたいと思います。