2024年5月23日 08:00
全ての手持ちアンプとスピーカーの音出し確認が完了したのが、なんとオーディオ道楽復活から1年半後のことでした、その後は外付けDACやイコライザーといったアクセサリー類の音質確認等を行っていました。
そんな徒然なる中で懐かしさのあまり思わず中古で購入してしまったのが、FMチューナーの名機であるトリオKT-7500(1975年発売、定価4.8万円)です。
このKT-7500は大学時代に使っていたKT-5500(1975年発売、定価3万円)の上位機種で、FMを高音質で再生する為だけに作られた通信機メーカーだったトリオ渾身の傑作チューナーです。
大学時代に購入した人生初の自分だけのコンポだったトリオKT-5500とサンスイAU-7500、そしてスピーカーのダイヤトーンDS-35Bで深夜に聴いていた音を再現したくて下取りで失ったKT-5500の代替えとして美品を中古で購入したのです。
トリオ KT-7500
上に載っているのはオンキョーのハイコンポA-909X
取り急ぎの動作チェック中
音出し確認は手軽で癖の無いオンキョーのハイコンポA-909Xと小型モニタースピーカーのヤマハNS-10MM(テンモニ・ミニ)で行いましたが、既に昭和レトロなFMラジオの音質がモロ出しです。
70年代のアンプとスピーカーを繋いだら、どんな音色になるのかはこの段階で想像できてしまいます。
男性MCのボソボソくる声に女性MCの鼻がつまったような風邪引き声、これです、このかまぼこ型の音が聴きたかったのです。
音楽ではナローレンジも良いところで、低音域と中音域の響き方が昭和の純喫茶で聴いていた安っぽい音そのものです。
でも、この音を再現したかったのですから私的には大満足です、聴きようによってはマイルドで聴きやすい音色とも言えます。
大学時代のセットを再現して寝室のお休み用システムとして使いたいと思います、こういう音色は刺激が無いので子守歌のようによく眠れるのです。
ただ当時の高級FMチューナーはおそろしく重いです、まるでアンプのような重量があります。
また、昭和時代の高級アナログチューナーの良いところは選局ツマミのチューニングの際の滑らかな手触りです、回転の慣性を指で感じる滑らかさは本当に素晴らしいものがあります。
これは触った人でないと絶対に解らないという、所謂オーディオ製品の音以外の超感覚の一つでしょう、この感触だけでも製品としての存在価値が有ると思っています。
そして特筆すべきはチューナーの感度です、FMもAMもアンテナを繋ぐまでもなくガンガン入ってきます、簡単なアンテナを繋いだら恐ろしい程の局が受信できます。
この辺が往年のトリオのチューナーです、流石通信機はお家芸です、イマイマのデジタル式のFMチューナーとは感度がまるで違います、本当に弱い電波まで拾うので場所によってはAMで海外の放送まで聴くことができます。
チューナーの使命である感度という性能面ではバリコン式のアナログチューナーに軍配が上がります、いやいや本当に感度だけは素晴らしい!