2024年5月28日 08:00
テクニクスは70年代後半に薄型レコードプレーヤーなど未来を予見したようなデザインのオーディオ製品を一斉に発売し、多くのファンを魅了しました。
そんな未来型オーディオ製品のラインナップの一つST-S7(1979年発売、6万円)は、とても70年代のオーディオ製品とは思えない極薄で斬新なデザインのFMチューナーでした。
社会人になった記念に購入し、それまで2年ほど愉しんだ名機トリオKT-5500を下取りに出してしまったほどです。
極薄のケースに一直線に並んだボタン類がまたなんともかっこいいのです。
それにしても、薄い!
おそらく、過去これまでのオーディオ製品の中で最も薄いのではないでしょうか。
テクニクス ST-S7
このST-S7を買った理由は薄型で設置に場所を取らないというメリットと、一番大きなメリットとして簡易オーディオタイマーが付いている事でした。
日付などの設定はできないのですが、おやすみオーディオで深夜のジェットストリームなどを聴きながら寝るのが習慣になっていて、1時間ほどでアンプなどの電源を切ってくれるのが便利で購入した経緯があります。
おそらく私が最も長く愛用したオーディオ製品の一つだと思います(主におやすみBGM用)。
当時出始めのシンセサイザーチューニングというそれまでのバリコンを回してチューニングする機械式と違って、ボタン一つでのデジタルチューニングはSFの世界のようで何とも非日常的な感覚にしたっていたものです。
ただ、バリコンのチューナーに比べて受信性能が悪いように感じます。
音質傾向は柔らかく刺激の無い素直な音質ですが、もう少しメリハリがあれば音質確認のリファレンスにも使え便利なのですが、ちょっと残念なところです。
このFMチューナーでどれだけジャズ特集とバロック特集を聴いたことでしょう、実に思い出深い逸品です。