サラウンドスピーカーの実力の程は?-4~オンキョー D-058M
2024年5月14日 08:00
オンキョーのサラウンド用に作られた超小型スピーカーD-058M(2010年発売、オープン価格)です。
元々はオンキョーの2.1ChシステムのBASE-V20HDXのサラウンド用にセットされたスピーカーですが、センタースピーカーなどと共に単体でも販売されました。
おそらくBASE-V20HDXの追加用に単体で発売されたと思うのですが、調べても発売当初の実売価格は不明です。
同じウーハーユニット2発使った細身のトールボーイD-108Eがペアで4.3万円、D-058Mと同じユニット構成で正面も同じサイズのD-108Mが実売価格2.5万円ということなどを勘案して、メーカー希望小売価格は2本で2万円前後ではないかと思います。
ちなみに、2018年10月当時ネットモールで新品がペア1.5万円ほどで購入できました。
オンキョー D-058M
後ろが細くなっている形状で密閉型特有の定在波を打ち消し張り出しを良くしている
JVCの超小型ウッドコーンスピーカーよりも小さいのにもの凄い音で鳴ります
音出しして一番驚くのは、オンキョーで最も小さな単体発売スピーカーではないかと思う超小型のスピーカーにしては考えられないほどのエネルギッシュな音を発します。
とても横10Cm・高さ17.5Cmでウーハー口径8Cmのスピーカーの音質ではありません。
ウーハーはこの頃のオンキョーのユニットに多用されている真っ白なA-OMFコーンの逆ドーム型で一目でオンキョースピーカーと解る独特なコーンを使っています。
私個人的には、このA-OMFコーンのスピーカーユニットの音質はかなりお気に入りで、センタースピーカーやブックシェルフ型など数台を所有しています。
D-058Mはこのサイズで驚くことに密閉型です、無理にバスレフで低音域を出そうとしないところが流石サラウンド専用のスピーカーです。
こういったところでもサラウンドに向くか向かないかを見分ける事が出来ます。
最低周波数が70Hzですので低音域は望むべくも無いのですが、それでもサンスイAU-α607XRやデノンPMA-2000などで確認すると思った以上に低音域も出るのには驚きます。
本当に軽く手のひらに乗るサイズのスピーカーの音ではありません。
また中高音域の張り出しの良さが抜群にいいです、ベッドルームなどで前出のトールボーイD-108Eなどと合わせてミニホームシアターシステムのサラウンドスピーカーとしてはかなり使えると思います。
メインで使う本格的なホームシアターでは音圧が低すぎて、例えフロントハイやサラウンドハイとして使おうにも合わせるフロントスピーカーが見当たらなく厳しいものがあります。
また、サイズもそうですが軽さも1Kgと軽いのは設置も楽だし音質や価格との総合評価ではかなり高得点を付けたいスピーカーです。
ただ、作りは硬質プラスチックでちょっと安っぽく感じます。
テレビの音質向上やPCデスクトップオーディオ用として使ったらちょうどよいサイズと音質だと思います。
液晶テレビの音質など、比較にならないほど音質が数段階向上します。
本当に、最近のスピーカーは大きさと音質が比例せず鳴らしてみないと解りません。
コンセプト通りの使い方で、サブウーハーと合わせると中型ブックシェルフかと思うほどの音色を発しました。
アンプ内蔵型よりもパッシブ型のサブウーハーと合わせて、バイワイヤリングで聴くベッドルームやキッチンなどでのセカンドシステムとするという手が良いかもしれません。