
オーディオで一番の怖い話をします。
それは「見えない銅線」という存在です。
スピーカーケーブルはしなりを良くするために、細い銅線を何十本もより合わせて作られています。
そして、スピーカーやアンプに結線する際は、ビニール皮膜を剥いて銅線をより合わせて結線するのですが、ときどき数本はみ出してしまうことがあります。
このより合わせからはみ出している銅線は普通の人にも見えずらいもので、特に目が悪い人や老眼の人は眼鏡をかけても殆ど見えないものです。
そして、このはみ出した銅線が時々物凄い恐怖を呼び起こすのです。
何かの拍子にこの銅線が隣のコネクタに接触してしまった場合、スピーカー側だろうがアンプ側だろうが、ものの数分でアンプの出力段が焦げ臭い臭いを残して飛んでしまいます。
ジャンク屋さんにはこういうアンプが山と積まれています。
「片側、音出ません!」と紙が貼ってあるアンプはほぼこの見えない銅線の餌食になったアンプでしょう。
さて、これを解決する方法は面倒でも結線部分を半田付けするか、コネクタがバナナプラグ対応ならバナナプラグをかしめる(圧着)か、そうでないならY字プラグをかしめるかですが、多くの人は手でよるだけです。
まあ、一度経験すればこの恐怖から注意するようになるでしょう。
ちなみに私は、1000回を越える結線をしていても1度だけです!(自慢にはなりませんね)
先端をハンダ付けした各種実験用に使うスピーカーケーブル

ホームシアター道楽封印までメインシステムで使っていたDVD/SACDユニバーサルプレーヤーが、このパイオニアDV-S969AVI(2003年発売、定価19.8万円)です。
パイオニア DV-S969AVI

ハイファイオーディオでもホームシアターでの使用でも高音質再生を追求した製品で、同じ時代の同様のカテゴリ製品であるDV-S747Aと比べて価格は一気に2倍の20万円とハイエンドともいえる製品です。
特筆すべき点はDVDプレーヤーとして世界で初めてHDMIインターフェースを実装した製品だということです、DVDプレーヤーやAVアンプにHDMIインターフェースが当たり前になった5年も前に既に未来を予見していたということです。
私の手元にあるのは2004年製のもので、初期ロットに比べてリモコンが若干違うようですが操作性の問題は特にありません。
それよりもCDとSACD再生での音質が本当に繊細で一つ一つの音がくっきりとしています、評論家用語でいう「音の粒立ちが良い」とはこういう音なのでしょう。
またDVD再生での音もまた極めて迫力があって本当に凄いです、低音域から高音域まで見事に押し出してきます、最近のDVDプレーヤーとはまったく次元が異なる音です。
とにかく聴き流したくても思わず耳が持っていかれて作業に集中できません、これは完全に聴き込むための音作りがされています。
バックパネルにはほぼすべてのインターフェースが整っており、デジタル2系統とアナログに加えてHDMIやコンポーネント、D1/D2にS1/S2、そしてドルビー5.1Chセパレーションプリアウトまでついています。
つまり、80年代から現在に至るまでのほぼすべてのオーディオ&ホームシアター製品とケーブル一本で接続可能です。
これは、ただ眠らせておくのはもったいないです、音質と動作確認が終わり次第現役復帰させ大いに愉しむことにしましょう。

オーディオに結線ミスは付きものです、何年やっていてもミスする時にはミスしてしまいます。
私の中で一番多いのがスピーカーの左右の結線ミスです、セッティングの際にアンプを後ろ向きにして結線するのですから左右をクロスさせないといけないのですが、ついクロスさせずに結線してしまいます。
同様にスピーカーのプラスとマイナスの結線ミスです、音出ししてみればすぐ解るのですが、耳慣れしていない人にはすぐには解りません。
左右両方間違っている場合は中音域の張りがなく、片方だと聞くポジションにより特定の音域だけが抜けます。
せっかくのオーディオ製品も、この違和感ある音に気付かずに長年聴いている人もいます。
結線しているのに音が出ない、映像が出ない、これは多くの場合に故障ではなく機種間のケーブルの結線ミスです、アンプの入力スイッチを切り替えればすぐにも解るボンミスです。
ホームシアター道楽封印まで寝室のサブシステムで使っていたユニバーサルプレーヤーが、このパイオニアDV-S747A(2001年発売、定価10万円)です。
アンプやスピーカーは何故かパイオニア製品を持っていない私ですが、ことデジタルプレーヤー製品に関しては昔からパイオニアを好んで使ってしまうのです。
やはりパイオニアはLDにおける実績と功績は大きいですね、特に私の年代の人には安心感が違います。
パイオニア DV-S747A
音質確認中、下のプリメインアンプはオンキョーのA-5VL(VLデジタルアンプ)
当時は眩かったパイオニアゴールドも今の時代には何故か古さを感じます

このパイオニアDV-S747AですがホームシアターでのDVD再生でも有効に使っていたのですが、SACDやCD再生での音質がなかなかで途中ハイファイオーディオのSACDプレーヤーとしても活用していた時期があります。
今回、改めて音出ししてみたのですが記憶は正しかったようで、DVDの音質もさることながらSACDやCD再生の音質がなかなかシャープでありながらも聴きやすい音色です。
難を言えば、最新のCDプレーヤーと聴き比べてしまうと低音域が豊かなのに切れが悪くちょっともたつく感じがしますが、中高音域は綺麗に響き個人的にはけっこう好みな音色です。
当時、このDV-S747AはSACDが再生できて10万円であり、「10万円で30万円クラスの性能を持つ」と当時は話題を集めた大人気だった機種です。
当時はハイコストパフォーマンス機として大ヒット製品だったのですが、本当にデジタルオーディオ製品の歴史とは儚く非情なものだと思います。
尚、音出しテスト中に気付いたのですが、パワーオン後にトレイをオープンしてCDをセットしようとすると、トレイが勝手に引っこんでしまう瑕疵が見つかりフルオーバーホールの見積もりを取ったら14万円、なんと当時の販売価格以上なのでビックリです。
オーバーホール代が高価なので壊れても良いようにとオーディオショップのネットモールで美品中古を見つけて即購入、ということで現在2台所有しています。
何と同じ機種が2台
目的がないとこういう無駄事はできませんね

ちなみにデジタル出力が有りますので最新のDACを繋いで聴いてみました、なんと一気に時代が縮まりシャープで締まった音色に変わりました。
なるほど、そういうことですね。
古いCDプレーヤーやDVDプレーヤーをお持ちの方、買い直すのも良いのですが最新の高音質に変える方法は外付けDACを繋げばいいのです。
ただ、高音質DACを買う予算で最新のユニバーサルプレーヤーが買えてしまうのですけれど。

オーディオ製品をラックを使わずに重ねて設置する場合は、放熱に充分注意しましょう。
放熱量の少ない機種を必ず下にしないと、熱で故障してしまいます。
例えば、アンプとCDプレーヤーなら、CDプレーヤーを下にアンプを上に重ねることが基本です。
これが逆だと、アンプの熱がアンプ内に籠り発熱する部品どころか周辺の部品もやられてしまいます。
更には、下からの熱で上のCDプレーヤーが故障してしまう事もあります。
セパレートアンプでは、プリアンプが下でパワーアンプは上にします。
カタログなどの写真では、パワーアンプが下でプリアンプが上になっている場合が多いです。
これは見栄えの為であり、決して真似をしてはいけません。
ただし、パワーアンプはかなり重いのでプリアンプとの隙間が3Cm以上取れるようならパワーアンプを下にしてもかまいません。
製品によっては、重ね置きを想定して設計されているセパレートアンプもあります。
また、埃よけの為にランチョンマットのようなクロスをアンプにかける人がいますが、これも同様に故障の原因になります。
必ず、電源を入れる時にはクロスを取りましょう。
何のために上部にスリットが開けられているのかを理解する必要があります。