AVアンプの音質改善の実験を行う目的で購入した4ChパワーアンプのビクターPS-A254B(2005年発売、定価9万円)です。
考えてみたら当時はヤマハやデノンのホームシアター用のハイエンドAVマルチチャンネルアンプを多数所有していたのですが、どうして新たに買ったのか今となっては謎です。
おそらくですが、当時はコレクションとして考えている製品を常用品として使いたくなかったのかもしれません、またこういったアンプは本当に何台有っても困りませんから。
ということで、PS-A254Bはホームシアターシステムの実験用パワーアンプとしてチャンネル数を確保する目的で2台所有しています。
この2台は、本格的な実験を行う前にオーディオ道楽を封印してしまったので、ほぼ新品状態で保管されています。
尚、業務用とはいえ館内放送などのアンプではありません、PA用の業務用のブランドであるVOSSブランドでありながらもインターフェースがPAライクなXRLではなくRCAとなっており、使い方によってはホームユースでも充分に使える特性を持ったアンプです。
ビクター(VOSS) PS-A254B
ノーマル接続での設定だと各チャンネルのランプが点灯します
ストックラックに収まる2台のPS-A254B
2台重ねた絵はなかなか迫力があります!
このパワーアンプPS-A254Bは、BTL接続を可能としていてBTLで2Chステレオ化すると50W+50Wの迫力ある音質に変化するのです。
ノーマル使用だと25Wの4Chアンプとして機能します、小規模ライブハウス用として考えるとこの出力で充分です。
更に、25W+25W+50Wの3Chアンプとしても使用可能なのです、つまりホームシアターでのフロントもしくはサラウンド2Ch+センター用とする事もできるのです。
つまり、2台持っていると4Ch・5Ch・6Ch・7Ch・8Chと必要なチャンネル数を確保することが可能なのです。
また、Ch1とCh3、Ch2とCh4を入力側でパラレル接続が可能なようなコネクタ仕様となっており、2Chステレオでのバイワイヤリングアンプとしても使用可能であらゆるシーンに使えるような設計には脱帽します。
尚、BTL(Bridged Transformer Less)接続とは、通常スピーカーのプラス側だけを増幅しマイナス側はアースとするアンバランス型増幅に対して、プラス側とマイナス側双方を増幅させるバランス型増幅でライブハウスなどで使うPAオーディオの多くはBTL方式を採用しています。
また、サンスイのAU-αシリーズがこのBTL方式の増幅回路を採用しています。
PS-A254Bはホームユースでも使えるとはいえ一応業務用なので耐久性は抜群で、熱が籠るような設置場所で24時間365日フルタイム稼動させてもびくともしません。
2つの2ChパワーICを使っていますが、バックパネルに直結させ大きな空冷フィンを完全にケースの外に出しています。
この為、長時間使用でもケース内に熱がこもることが無く安定動作を保障します。
各種の実験と検証は後々行うことにして、今回は動作確認と単独での音質を確認します。
一般的に業務用はハイファイオーディオに比べて音質が悪いと言われているのですが、私も家でじっくり業務用(PA用)のアンプを聴き込んでみるのは久しぶりなのでその音質検証もしてみたいと思います。
スペックでは周波数レンジが20Hz~20Khzなのでイマイマ的には高域が弱い気がしますが、オーディオはスペックではなく実際に鳴らしてみないと解りません。
リファレンススピーカーはダイヤトーンの小型ブックシェルフDS-200ZXとオンキョーの本格的3ウェイ大型ブックシェルフD-77MRXを使用し、正確な音質を確認する為にあえてプリアンプを介さずCDプレーヤーからダイレクトに接続します。
先ずノーマル接続での4Chで使用した場合の音質をじっくり確認します。
この場合、チャンネル1(3)にL、チャンネル2(4)にRを繋ぎます。
音出しした瞬間、元気で明るい音色に心も元気になります。
これ、なかなか良い!
嫌みがまったく無くハット系のドラムやピアノの高音域もばっちり、更にシャープな響きがまたすごく良い!
AVアンプの音質向上用にはもったいないほどの音色を醸し出してくれます。
これで9万円、下手なミドルクラスのプリメインアンプより全然コストパフォーマンスが高いです!
こういう元気でストレートな音色はホームシアターも良いけど、ミキシングアンプを繋いでホームカラオケ用にも最適です!
定格出力25Wとは思えません、更にBTLで50Wなら全然余裕があります。
正直感動すら覚えてしまいました、これ近い将来確実にホームカラオケなどでフル稼働で使うパワーアンプになるでしょう。