購入当時はホームシアター歴15年、この間は気になるAVアンプが出れば購入し、15年目にして実に歴代6台目のAVアンプがこのデノンAVC-A1SR(2002年発売、定価45万円)でした。
デノンのオーディオ&ホームシアター製品で型番に「1」が付くのはフラッグシップ製品として位置付けられています。
このAVC-A1SRは、当時のデノンのオーディオ&AV技術の全てを注ぎ込んだ製品でありハイエンドAVアンプとして話題を集めました。
ヤマハのフラッグシップAVアンプであるDSP-AX1に続いてのハイエンドフラッグシップAVアンプの購入でしたが勢いとは怖いです、45万円が安いとさえ感じてしまうのですから。
デノン AVC-A1SR
シーリングパネルを開けたところ
デノンゴールドの輝きが堪らない!
当時のあらゆるオーディオとAV機器を接続できるコネクタを装備したバックパネルは、コネクタ類がびっしりと所狭しと付いています。
音質はCDダイレクトで確認した瞬間、ヤマハDSP-AX1同様にAVアンプの音質ではない事がすぐ解る音色です。
まるでプリメインアンプの名機PMA-2000を聴いているようです。
低音域はしっかりしており、その上にシャープな中高音域が乗ってどんなジャンルでも無難にこなします。
その意味ではPMA-2000を3台+アルファとサラウンドコントロールアンプを組み合わせたような仕様であり、そう考えるとこの価格は納得の価格です。
このAVC-A1SRに限らず、AVアンプも40万円も越えるハイエンドともなると流石に「AVアンプは音質が悪い」という言葉は出ないでしょう、まずは実際に聴いてみることです、固定概念など無きものにされてしまいます。
ディスクリート回路構成で全てのチャンネルが200W/6Ωという高出力、どんな部屋でも理想的な音場を得られるでしょう。
周波数特性もまた見事で、この時代のミドルクラスのAVアンプだと20Hz~20KHzが普通なのですが、流石フラッグシップのハイエンドAVアンプです、5Hz~100KHzと驚異のハイレゾ対応の周波数特性を誇ります。
ただ消費電力も580Wと半端ではありません、ステレオモードで軽く聴く程度でも上面パネルがかなり熱くなります。
中を開けて見ると空冷用のファンが2つ付いています、放熱板であるアルミフィンが一定の温度以上になると自動で稼動するようです。
更に重量も最大級で30Kgを越えます、一人でラックにセッティングするのは無理です、必ず誰かの補助が必要となります。
手軽に映画などを愉しむAVアンプではなく、ある程度の大きさの部屋でじっくりと鑑賞する為のAVアンプです。
尚、AVC-A1SRと同時に購入した7台目のエントリークラスAVアンプのデノンAVC-1850があまりにも手軽なうえに音質もしっかりしているので、メインとして使ったのがAVC-1850だったのです。
そういう意味では高い買い物だった気がします。
最後におまけ、プリメインアンプPMA-390との大きさ比較
かなりの大きさであることが解ります
ホームシアター歴14年目にして、実に6代目となるAVアンプのヤマハDSP-AX1(1999年発売、定価35万円)です。
先代のヤマハDSP-A2の翌年に発売されたヤマハの当時のAVアンプのフラッグシップ機で、当時のヤマハのサラウンド技術が凝縮された逸品です。
ただ、DSP-A2同様に5.1Ch入力を活用したAVパワーアンプという贅沢な位置付けでの購入動機でしたが、1年後には単独使用で本来の使い方で愉しみました。
その意味においては、サラウンド方式が最新のミドルクラスのAVアンプを購入し5.1Ch出力端子に本機の5,1Ch入力端子を繋げばハイエンドなAVセパレートアンプとして何時までも使うことが可能です、こういう使い方を考えるのも道楽の愉しみの一つなのです。
ヤマハ DSP-AX1
このDSP-AX1ですが、第一印象はでかい&重いです。
アンプの大きさ的には本機の3年後に購入したデノンAVC-A1SR同様の最大級であり、重量も同様に約30Kgあります、一人で運んだり設置するにはかなりの体力がないと無理です。
さて、肝心の音質と音色ですが、ずばり文句なしの張り出し感が見事です。
特筆すべきは締まった低音域と中高音域のシャープな張り出しで、ベースやドラムに加えてサックスやボーカルがバリバリと前に出てきます。
また、ドラムのハット系も耳元で響き渡ります、AVアンプでこの音ならまったく文句のつけようがありません、というよりも下手なミドルクラスのプリメインアンプよりも骨太な音色で驚きます、流石にフラッグシップモデルだけあります。
勿論、DVD再生でも重低音から高音まで元気になる音色でつい時間を忘れて聴き込んでしまいます。
SFの効果音がまた絶品です、サラウンドもオリジナルモードがそれぞれに特徴があって素晴らしいものがあります。
ジャズのコンサートホールモードはライブ感満開で、エゴラッピンのライブなどはまるでライブハウスに居るような感覚に包まれます。
良いアンプは時代を感じさせません、音質的には今でも全く問題なく現役投入できます。
ただし、HDMIインターフェースを実装してないので最近のテレビやプロジェクターにはダイレクトでは繋げません、RCA-HDMIコンバーターが必ず必要になります、その意味でも最新のミドルクラスのAVアンプの5Chパワーアンプとして利用すればこの問題も解決します。
また光デジタル入力だと繊細な音質ですが、最新のデジタル機器に付いている内臓DACの力に頼ってアナログ入力した方が迫力ある音質で楽しめると思います。
真空管アンプで名を馳せ音作りでは定評のある日本のニューブランドであるトライオードがトランジスタアンプも作れるんだと真価を発揮させ創ったレアなアンプ、それがトライオードFuture2000(2000年発売、定価7万円)です。
トライオード Future2000(一番上)
オンキョーのハイファイデジタルアンプA-5VL(一番下)と音質を比較中
極めてシンプルな設計のアンプで、入力セレクタとアッテネーターが付いたパワーアンプと言ってもよい代物です。
ところが音出し一番、ストレートにドスンと押し出してくる快音にはビックリしました。
何の味付けも無しでCDプレーヤーにヘッドフォンを繋いで聴くのとほぼ同じ音色がします、これは真に「増幅する導線」概念そのものを地で行くアンプだと思います。
低音域も締まっており申し分ありません、そのカチッとした安定の低音域にシャープな中高音域が綺麗に乗るのですから心地良いに決まっています。
こんな曇りの無いスカッとした音のするアンプはそうそう出会えません、音色的には私個人的に名機の太鼓判を押します。
人によってはこういうストレートな音色を「荒っぽい」と評価するのですから、本当にオーディオの評価は難しいです、個人の好みというバイアスがどうしてもかかってしまいます。
トライオードが、「真空管だけではなく真面目にトランジスタでアンプを作るとこうなる」と言っているような存在感を露骨に出しています。
作りも極めてしっかりしており、フロントパネルの厚みといいダイキャストのハンドルも贅沢な作りをしています。
私的な趣向ですが、こういったストレートに押し出してくる音色のアンプは入力直結というスペックをそのまま活用して、AVアンプのフロント出力の音質改善用パワーアンプとして使ってみたい気がします。
このまま素直な使い方ですと、どうしても聴き入ってしまい他の事ができない状態になります、それほどはっとする愉音なのです。
オーディオファンなら是非一度は聴いてほしい音色です、アンプの原点がここに在ります。
ホームシアター歴13年目にして、実に5代目となるAVアンプのヤマハDSP-A2(1998年発売、定価17.8万円)です。
ヤマハ DSP-A2
1985年に始まった私のホームシアター歴の初代がデノンAVC-500(1985年)、2代目がサンスイAU-V7000(1990年)、立て続けにデノン・サンスイと1年ごとに変わり、そこから6年という空白の時を空けて5代目にして本機ヤマハDSP-A2となります。
また、このDSP-A2から約10年間が私のホームシアター道楽の真の黄金期で、毎年のようにAVアンプを購入しては交換して行きます。
この前代の歴代4代目のサンスイAU-7500Gの音がAVアンプとは思えないほどの愉音で、この間に発売されたAVアンプにはまったく翻弄されることもなく穏やかに過ごせた期間でした。
ただ、このヤマハDSP-A2はサラウンドスペックも含めてハイエンドなAVアンプだったのですが、使い方はAVアンプとしてではなく、なんとAVパワーアンプとして使う事を目的にした購入だったのです、多くのヤマハAVアンプファンからお叱りを受けそうなもったいない使い方でした。
というのも、このヤマハDSP-A2はDVDオーディオが使える当時のユニバーサルプレーヤーやサラウンドプロセッサーに対応した5.1Ch-AVマルチ入力を備えていたからなのです。
ソニーのサラウンドプロセッサーSDP-EP9ESを購入し、ペアとなるパワーアンプを探している時に本機を見つけ、将来単独でのAVアンプで使用する事も視野に入れての購入だったのです。
しかし、この1年後に同じくヤマハのDSP-AX1、そして3年後にデノンのハイエンドAVアンプAVC-A1SRを購入してしまい、結果的にAVアンプとして1度も使われないままストックしてしまいました。
今回の音質確認ではメイン出力の2Chだけしかやっていませんが、当時のヤマハらしい明るい音色の記憶が鮮明に蘇りました。
特に、中高音域のシャープな押し出し感が強い音色で、小型スピーカーでも大型スピーカーでも荒も出さずにストレスフリーに元気に鳴らします。
繊細さなどは気にせず、とにかく明るく元気な音で鳴らしたい人にはもってこいのAVアンプでした。
ホームシアター歴6年目にして、実に4代目となるAVアンプのサンスイAU-V7500G(1991年発売、定価9万円)です。
1985年に始まった私のホームシアター歴の初代がデノンAVC-500(1985年)、2代目がサンスイAU-V7000(1990年)、その後同じ年にデノンAVC-1000、そしてその1年後にまたサンスイの本機と入れ変わります。
本機AU-V7500GはAU-V7000譲りのAVアンプとは思えない愉音を醸し出すアンプで6年間も愛用したほど強烈に記憶に残るAVアンプの一つです。
サンスイ AU-V7500G
外見はサンスイのAVアンプ初号機のAU-V7000と同じです、機能も全く同じです。
そして最大の特徴はリモコン無しで簡単操作できる点も同じで、AU-V7000を愛用していたのでマニュアル無しですべての操作が行えました。
本機AU-V7500Gはシャンパンゴールド色で、ブラック色のAU-V7500Bがあります、AU-V7000がブラック1色だったのでサンスイ2世代目はシャンパンゴールドにしたのですが、これが正解でした。
というのも、ピュアオーディオの音質をそのままにAVアンプ化を目指した製品で2Chオーディオモードでも充分すぎるほど使用可能で、その場合シャンパンゴールドの方がCDプレーヤーなどのカラーを合わせやすいのです。
音質は、AU-V7000とほぼ同じで濃厚な音質です、まさにサンスイの骨太なサウンドがここにあります。
今現在聴いてもまったく古さを感じません、むしろ元気いっぱいの明るい音色が蘇って嬉しくなります。
音質的にはAU-V7000よりも厚みが増した感があるのですが価格が1万円安いのです、オプションのサイドウッドが1.2万円、なるほどAU-V7000はサイドウッドが標準なので価格の差はここなのかもしれません。
スペック的にも音質的にもAU-V7000と大きな違いを見出せません、ただサイドウッドが無いのに重量が重くなっているのでおそらくトランスや電解コンデンサなどの電源回路の変更や出力段のマイナーチューニングが施されたものと思います。