日本ではあまり食べることがないビーツは、調理方法さえ研究すれば色も鮮やかで非常に面白い食材の一つです。
ビーツは皮を剥くと真っ赤で血のような汁が溢れ出てきます、西洋では「食べる輸血」と言われています。
生でも食べられますがエグ味が凄くて無理です、そこでまずはポピュラーなボルシチを作ってみました。
コツは、最後の仕上げにビーツを入れることです、こうすることで鮮明な赤い色のスープができ上がります。
これを応用して赤い煮込みうどん、何と和風の出汁でも美味しく出来上がります。
インド料理に「アルジラ」というポテト料理があります。
アルはジャガイモでジラはクミンというスパイス、つまり油でローストしたクミンを蒸し焼きにしたジャガイモに絡めたスパイシーな料理です。
その独特な香りはスパイス好きな人には堪らない逸品ですが、日本人には苦手な人も多いのも確かで、誰もが好んで食べる料理とは言えないものです。
そこで日本人の舌にも合うように、クミンをトウガラシ・サンショウ・オレガノに変えて塩を少々加えて炒めてみたら、ピリ辛のポテトの味がしっかり楽しめるハーブスパイシーローストポテトが出来上がりました。
これをインド料理のお店でメニュー化したら、ビールのおつまみに多くのお客様が注文してくれるようになり今では定番メニューになっています。
舌が痺れるような激辛バージョンも好まれ、その名も「バクダンポテト」、私が命名いたしました。
ジャガイモは軽く茹でてからキャノーラオイルで炒めながら塩とスパイス類を加えます、ここでオイルをオリーブオイルにトウガラシを黒コショウに変えるとイタリアン風味にもなります。
ジャガイモのカットとオイル・スパイスを変えるとどのようなカテゴリの飲食店にも合わせることができます。
「生野菜はどうも苦手で・・・」という高齢者や男性向けに考えたメニューで、その名も「ロースト野菜のバーニャカウダ」です。
ちなみに、「バーニャカウダ」とはアンチョビソースのことです。
生野菜を軽くステーキ用の鉄板で焙って半生状態にして、生野菜が苦手な人向けに味をまろやかにして消化吸収を助けています。
野菜独特のエグ味を消し本来の甘みも増し、ナス・ズッキーニ・パプリカ・グリーンアスパラ・カブ・コリンキーなどにはぴったりの野菜料理、しかも中はシャキッとしていて非常に美味しいのです。
身体を冷やしてしまう生野菜も、熱を少し加えるだけで生で食べても身体を冷やしません。
寒い冬にも生野菜をバリバリ食べたいニーズにも応えて、ソースも思考を凝らして専用ソースを考えました。
味変として、オリーブオイルと岩塩だけでもさっぱりとして大変美味しいです!
3分程の調理時間で本格的なイタリアンが楽しめるメニューとして、タンポポジェノベーゼを使用した一品をご紹介。
食用タンポポを大量に収穫し、利用法に困っていたとき思い付いたのがバジルの代わりにタンポポの葉を使ってジェノベーゼソースを作ってしまうというもの。
これは大当たりました、オイルシールドして冷蔵庫に保管すれば半年以上も持つ事が解りました。
尚、タンポポでジェノベーゼを作る際に入れるナッツはローストしたクルミが風味が合うのでお奨めです!
このタンポポジェノベーゼを鶏肉と赤・緑パプリカをニンニクを加えたオリーブオイルで炒めながら塩と共に加えるだけ、肉に火が通れば出来あがり。
黄色ではなく緑パプリカを使用したのは、写真を見て解る人は解ると思いますがイタリアの国旗であるイタリアン・トリコロールにしたいからです。
何と4人前の量でわずか2分ちょっとで調理できました。
料理は既成概念を壊すことから進化します、常識やルールに拘っていたら新しきものは何も生みません。
スズキのポアレの下に、食用タンポポで作ったオリジナルペーストを添えました。
食用タンポポをきめ細かくクリーム状に挽いてから、最高級のエキストラヴァージンオリーブオイルで伸ばしました。
スパイスとレモンの酸味の配合が一番の決め手で、なかなかの味に仕上がりました。
グリーン・ゴールド2色のズッキーニと紫ダイコンのロースト&食用タンポポの柔らかい幼葉をトッピング、見た目にも大変上品な逸品です。
皮をオリーブオイルでパリパリに焼いたスズキのポアレに風味もジャストマッチ、世界中の美味しいものを食べ尽くした人の舌も唸らせる上品の中に野性的な個性を醸し出しています。
高級料理を食べ飽きた人に是非一度ご賞味してほしい逸品です!