2024年8月 2日 09:00
近年の冷凍食材の完成度は驚くばかりです、調理すれば生とほぼ変わらない味と食感が得られます。
ただし、家庭で使うならまだしも業務用として飲食店で使うには抵抗があるオーナーやシェフが多いことも確かです、その意味で研究目的で様々な冷凍食材を実際に調理して確認しています。
まず肉類や魚介類は昔から業務用として多くの飲食店で多用していますし、冷凍熟成によってアミノ酸が増加してむしろ好ましいので問題ありません。
というよりも既にこれは常識化しており、特にアニサキス問題で生で食する魚介類は一度冷凍することを推奨すらしています。
問題は本題の野菜類です、何故なら野菜類の冷凍の多くは必ず熱処理を施してから冷凍されているからです、その結果調理した際に食感も味も変わってしまうからです。
さて実際に各種試してみた結果ですが、芋類はほぼ問題なく使えると思います、特にサトイモなどは手間のかかる灰汁抜きなどせずにそのまま煮込めますので高級料亭などでなければ煮ものに使うには問題ないでしょう。
同じようにゴボウやレンコンも煮込みには問題ありませんが、キンピラなどの炒め物はシャキっとした食感が得られずアウトです。
豆類も加熱調理して使うのが当然ですので食感も味もほぼ問題ありません、枝豆などはその代表格でどの居酒屋でも冷凍ものを使っているのをみても解ります、同じようにトウモロコシもてんぷらやバターコーンなどの調理には缶詰同様に使えます。
葉物はホウレンソウなどは炒め物に使えますが、独特のエグ味がなく冷凍だとバレテしまいますので、それでも問題ない価格帯での提供であれば手軽に使えて便利だと思います。
ただ、エグ味が無いということは栄養素は生とは別物であり食物繊維以外はほぼ加工過程で流れ出しており健康を謳う店では使えないでしょう。
かなり使えるようになったとはいえ、やはり葉野菜に限っては冷凍ものはまだまだ問題があると考えた方が良いかもしれません。