私が盆栽にはまったきっかけとなった何とも言えない日本のワビサビを感じる樹木である糸魚川真柏、その糸魚川真柏の中で一番気に入っているのが小品盆栽です、小品盆栽とは概ね樹高が20Cm以下のものを指します、幹の太さなどからおそらく10年生くらいの4~50Cmほどの樹高の糸魚川真柏を剪定と針金で折り畳み樹高15Cmに仕上げています。
買ってきてから約2年が経ちだいぶ樹形が乱れてきました、そろそろ剪定と樹形の立て直しを行わないといけません、突き出た皮を剥いた枝は糸魚川真柏の盆栽でよく見られるジンと呼ばれる細工で自然樹木では風などにより風化した枝を模しています。
この樹形は「懸崖(けんがい)」といい崖に生えた木が山風に煽られ谷に向かって枝を伸ばした様を表しています、本品は「懸崖」でも主幹が効き枝ではなく脇枝が効き枝になっているので正確には「半懸崖」と呼ばれる樹形となっています。
糸魚川真柏-小品盆栽(懸崖)

☆創作ノート
・樹木 糸魚川真柏
・樹形 半懸崖(はんけんがい)
・鉢 岩を模した化粧鉢
イロハモミジの実生苗を8本ほど軽石鉢に植え盆景素材にしています、昨年暮れにかなり短く刈り込んだのですがしっかり新芽が芽吹いてくれました、ただ2本は芽が出ずに枯れてしまいました、やはり強剪定はやりすぎに注意です。
盆景で使用してもテラリウムでも利用できるかと思います、モミジは乾燥に強いほうですが軽石鉢はすぐ水が乾燥してしまいますので管理が大変ですが山の風景を模すにはこういった軽石鉢に定着させるといろいろと楽しめると思います。
軽石鉢にイロハモミジの実生苗を定植した盆景
昨年末に枯れた葉を落として短く刈り込みましたが元気に復活しました

昨年の暮れはこんな状態でしたので葉を全部切り半分の長さに強剪定しました
シダやコケと同じ場所で管理していたので軽石鉢にシダやコケが自然発生しています

☆創作ノート
・樹木 イロハモミジ
・盆 軽石鉢
内径18mmの試験管でコケテラリウムを実験的に造りました、これの凄いところは1年以上も経って水もあげてないのにずっと湿度を保ち生き続けていることです。
手間いらずで身近に生きたコケを堪能できる試験管コケテラリウム、いろいろなコケでチャレンジしています、ただ製作にはかなりコツが要ります、普通のピンセットでは上手く植えることができません、そこで水槽用の長いピンセットとトリミング用のハサミを使って植えました。
試験管コケテラリウム

拡大図

保湿性の高いソイルを使ったので逆さにしても落ちません

☆創作ノート
・コケ ヒノキゴケ、スギゴケ
・ソイル ピートモス、バーミキュライト
・ケース 内径18mm試験管、コルク蓋
ブルーの綺麗なグラタン皿を使用してコケ盆景を造りました、盆景は乾燥しやすいので乾燥に強いホソウリゴケを使い石庭のように小石をレイアウトしてみました。
砂は洗わなくてもすぐ使えるアクアリウムで有名なGEXの洗浄消毒済み珪砂を使用しています、袋から出してそのまますぐ使えるので昔からよく使います、川砂などを採取して使ってもよいのですが洗浄をしっかりしてから天日で乾燥させ殺菌しないとカビが発生しますので注意が必要です。

☆創作ノート
・コケ ホソウリゴケ
・装飾素材 小石(青色泥岩石)
・ソイル 洗浄消毒済みアクアリウム用珪砂(GEX)
・盆 グラタン皿
大小の筒形ボトルに入れた標本型コケテラリウムが現在多数売られています、小さなものでは試験管に大きなものでも直径12Cmほどのロングシャーレ型のガラス容器で造られます。
価格はコケの種類によって異なりますが、一番安い直径2Cmほどの試験管型で1~2,000円ほど、ロングシャーレ型では3~5,000円ほどです。
私は生態観察記録を目的に新たにコケを入手する度に標本型コケテラリウムを造っています、今回はそういった標本型コケテラリウムのホソウリゴケ版です。
ホソウリゴケは地球上で最も多いコケではないかと思うほどどこにでも自生しています、ただ不思議なことに山野ではなく人里に多く自生しており電柱やビルの壁に道路脇とどこでも見ることができ、多くの人の中でのコケのイメージがこのホソウリゴケではないかと思います。
ホソウリゴケが人里に多く自生できるのは非常に乾燥に強いことがあげられます、乾燥すると黒っぽくなりカビのように見えます、ところが雨が降ると色鮮やかな明るい緑色になり山のように盛り上がってきます、この盛り上がった際に古い仮根がスポンジ状になり水分を蓄えるのに機能します。
盆栽などではこの機能を生かして鉢の土が乾燥するのを防止するためにホソウリゴケを多用しています、逆にコケなのに多湿には弱くテラリウムに用いると多湿によって腐ってしまいます、したがって標本にするなら蓋をしないでオープンな状態で飼育し土が乾燥したら水分を与えるようにすれば成長を愉しむことができます、完全成長したホソウリゴケは非常に感触がよく動物の皮膚のようです。
ホソウリゴケを使った標本型コケテラリウム
加湿すると蒸れて腐ってしまうのでガラス容器では管理が大変です

ホソウリゴケ(拡大)
一つの個体は極めて細くて小さい

完全成長したホソウリゴケの感触は毛並みの良い動物の皮膚のようです

☆創作ノート
・コケ ホソウリゴケ
・ソイル アクアリウム用珪砂(スマイルペットクラブ)
・ケース 小型ロングシャーレ(9Cm長)