テラリウム-6(標本型コケテラリウム-4 コウヤノマンネングサ)
2024年12月13日 08:00
大小の筒形ボトルに入れた標本型コケテラリウムが現在多数売られています、小さなものでは試験管に大きなものでも直径12Cmほどのロングシャーレ型のガラス容器で造られます。
価格はコケの種類によって異なりますが、一番安い直径2Cmほどの試験管型で1~2,000円ほど、ロングシャーレ型では3~5,000円ほどです。
私は生態観察記録を目的に新たにコケを入手する度に標本型コケテラリウムを造っています、今回はそういった標本型コケテラリウムのコウヤノマンネングサ版です。
コウヤノマンネングサは単草では世界最大級のコケでコケキングと称されています、栽培もようやく本格的になりつつあり市場では唯一の1本売りされているコケです(流石キングだけあります)、現在価格は標準的なもので1本500円、脇芽が出ている株立ちなら1本800円程度と高額で送料を入れると倍になってしまいます、したがって私は大小5本セットで送料込み2,000円程度のものを購入しています。
扱ううえでの注意点として複数植えの際に葉と茎が触れるように植えてしまうと何故か互いに葉を溶かしあってしまいどちらも葉が無い状態になってしまいます、ただしこうなったら栽培素材としてソイルに埋めてしまうと半年ほどで新たな芽を出して再生します、同じ柄から再生したものは葉と茎が重なっても溶けることがありません、このあたりの生態がまだ研究中らしくコケ研究の歴史が如何に浅いかということが解ります。
単草で世界最大級のコケであるコウヤノマンネングサを使った標本型コケテラリウム
完全成長したものは高さ15Cm×直径12Cmのロングシャーレでも頭がつかえそうなほど大きくなる
脇芽が2つ出ています、環境が良いとテラリウム容器の中でも繁殖します
コウヤノマンネングサ(上部拡大)
なんて立派なんだ、これがコケとは誰も想像すらできないだろう
余談ですがコウヤノマンネングサを一回り小さくしたようなフロウソウというコケが存在しています、フロウソウは直立する柄にも葉が付いており上部も張り出すような大きな葉はありません、このフロウソウはコレクション価値はありますがビジュアル的に中途半端なのかテラリウムに使われることはほぼありません、ただし盆景には使えると思います。
問題は山採りしたフロウソウをコウヤノマンネングサとして販売している業者がいることです、コケに慣れている人はすぐ解りますが初心者には写真だけでは見分けがつかないので注意してください、実物で2つを比べてみれば如何にコウヤノマンネングサの存在価値が大きいのかが解るでしょう、機会があれば注意奮起を目的に購入して比較写真を撮りたいと思っています。
☆創作ノート
・コケ コウヤノマンネングサ
・ソイル コケ専用ソイル(華みやび)、アクアリウム用洗浄済小石(GEX)
・ケース ロングシャーレ(15Cm長)