2024年9月17日 07:00
法人設立後10年間同一の事業を継続できる企業は2.9%という統計があります、それほど法人化し一つの事業を長期間継続することが難しい事を表しています、私は創業16年後にソフトウェア受託開発からオリジナルシステムの開発販売へと業種をシフトしました、更に27年後にはIT事業すべてを子会社に譲渡し経営コンサルティング会社として生まれ変わりました。
その時に考えたのが社名の変更です、しかし運良く2度の事業変革においても社名変更をしなくても違和感が無かったので社名変更をせずに済みました、この経験で新たに法人を創設する際に社名を考えるにあたり何れ企業とはどこかで事業変革が必要になるという事を念頭に置いて考えます。
社名変更は事業が独り歩きするほど大きくなった場合はイメージアップに繋がりますが、そこそこの事業規模の場合は費用面と信頼面で大きなダメージになる場合が極めて高いのが事実です、「自分の会社の社名くらいは自分の拘りで決める」という起業家も少なくありません、ただその社名は世の価値観の変化についていけるものなのかどうか、そして事業変革した際はどうするのかを考えることが肝要です。
説明してもそんな疑問を持たない起業家は多数います、悲しきかな創業3年もしないうちに社名が仇になるケースも出てきていることも事実としてあります、ここで社名を考える場合に気にした方がよい事項として以下の項目があります。
1.特定の地名を入れる・・・本社が移転した場合はNG
2.業種や職業の名称を入れる・・・業種変更の場合はNG
3.流行りの用語を入れる・・・死語になった場合はマイナス要素
4.自分の名前をそのまま入れる・・・個人企業と思われマイナス要素
5.複雑な英語の社名・・・関係各所に各種の迷惑をかけるのでマイナス要素
6.自身の拘りを入れる・・・個人企業やナルシストだと思われてマイナス要素
※ただし、社団法人・財団法人・NPO法人・NGO法人では2項に関しては例外です。
たかが社名されど社名、社名は経営者の経営姿勢をダイレクトに表します、これが合わないと自分も周囲も大きな違和感が発生するようになります、経営とは他者との経済循環を礎とする経済活動です、つまりそこには自分だけの拘りなど捨てて人間関係という複雑な心理を理解しなければならないのです。