2024年1月29日 01:00
「法人としてビジネスするならB2B(法人対法人)に限る」、これは経営コンサルティングを事業にしていた頃にクライアントに口がすっぱくなるほど言い伝えていました、例えで言えば「1人に1本の薔薇を100人に売るのではなく、たった1人に100本の薔薇を売れ」ということです。
B2Bビジネスは結果が出るまでに時間がかかるかもしれません、しかしたった1つの案件成功でおそらくこれまでの1年分以上の利益が出ることも何ら珍しいことではありません。
私の事業家としてのビジネスはすべてB2Bビジネスに徹しています、何よりも達成感がそれまでのすべての苦労を吹き飛ばすほど大きなものとなるからです、これがB2Bビジネスの破壊力です、しかし起業家の多くはB2Bビジネスが儲かることを解っていながらなぜB2C(法人対個人)ビジネスを展開しようとするのでしょうか?
その一つの理由は有益な法人ルートや人脈が無いことにあります、上場企業と渡り合えるルートも大企業に入り込む人脈もないという事実がそこにあります、またB2Bビジネスの基本は組織力です、組織力が無くB2Bビジネスは行えません、したがって一人で気楽に行えるB2C(正確には、B2CではなくP2P=個人間取引)ビジネスに甘んじてしまうのでしょう、手軽に行えるSNSに頼り簡単に探せる個人を集めては日々銭稼ぎに始終してしまうのです。
もう一つの理由はB2Bビジネスをゼロから行うには多くの時間と資金が必須です、資金が無いがために結果が出るまで待てないというのが事実として存在します、実際問題として何時お金になるのか解らない不安で毎日を暮らすのは例えようも無い恐怖感が襲ってきます。
何をして良いか解らない、日々の活動費も底をついてくる、移動の交通費も昼飯代さえもままならず先細りの恐怖感から営業経費も使えなくなります、その恐怖感から逃げだす結果において日々何かをやって少しでもお金にしようとB2Cビジネスに妥協してしまうのです。
これが1円起業時代に起業した起業家の現実です、真に事業家として成功したいのなら覚悟を決めて個人相手の手軽なB2C思考から早期に脱却することです、ルートはお金を払ってでも法人人脈が豊富な人に依頼することです、そしてB2Bビジネスの成功法則を教えてもらうことに尽きます、日々の生活費は自身が興した事業ではなく日々銭を得られる別のことで稼ぐことです。
今現在の生活を考える手段の為の稼ぎと大きな事を成す目的の為の事業を決して混在させるべきではありません、作家も画家も売れるまではアルバイトで生活を繋いでいます、これは決して恥ずかしいことではありません、自身の夢に妥協するよりも余程立派です、いつまでも個人相手にビジネスを行っているうちは夢の実現などは程遠いと思います。
ちなみに個人相手の商品を製造販売するメーカー、例えば日用品や文房具などのメーカーでB2Cを行っている企業は皆無です、個人相手の商品の企業でさえも卸しに流通に販売とすべてがB2Bビジネスに徹しているのです、現代においてB2Cで成功できる企業は巨大な資金力と組織を抱え莫大な宣伝広告費を使える大企業だけです。
そして実は本来の姿のB2Cビジネスの方がB2Bビジネスよりも大規模になり高収益事業になるのです、これを小さな企業や個人で行えるはずはないのです、極少企業やベンチャー企業、まして個人事業主同様の起業家がB2Cビジネスで思ったような成功を収められる確率はゼロに等しいでしょう。
B2Cビジネスモドキ(P2P)しか行う術がなく「取りあえず食べて行くだけで良い」というのであれば成功などという夢を早期に捨てるべきです、法人化する理由は節税以外に無いのですから、潔く会社を清算して個人事業主になったほうが束縛される法的事項もなく気楽で良いのかもしれません、そもそも法人化する意味はB2Bビジネスを行うための最低限の準備ということです、決して体裁や満足感を得るという自身の為の見栄の表示であってはなりません。